※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。
給与明細を見ると「夜勤手当 3,000円」とだけ書いてある。
これが多いのか少ないのか、そもそも法律で決まった金額なのか、分からないまま毎月受け取っている。
夜勤のある仕事をしていると、一度はそう感じたことがあると思います。
結論から言うと、「夜勤手当」は会社が独自に決める手当で、金額に法律上の決まりはありません。
一方で、午後10時から午前5時までに働いた時間には、法律(労働基準法第37条)で「25%以上の深夜割増賃金」を払うことが義務づけられています。
夜勤手当の中にこの深夜割増が含まれているのか、別に払われているのかを確認するのが、明細を見るときの出発点です。
この記事では、次の資料だけを使って整理します。
- 労働基準法(e-Gov法令検索)
- 東京労働局「しっかりマスター労働基準法 割増賃金編」
- 厚生労働省の労働時間ガイドライン、未払賃金の時効、固定残業代のリーフレット
いずれも2026年9月14日に公式のページとPDFを開いて確認した内容です。
資料に書かれていないことは「記載なし」と書いています。
読み終えるころには、自分の1時間あたりの賃金から「深夜分として最低いくら払われているはずか」を電卓で出せるようになります。
夜勤手当は会社の手当、深夜割増賃金は法律の義務
最初に、名前が似ている2つを分けておきます。
ここを混ぜたままだと、明細を見ても判断ができません。
深夜割増賃金(深夜手当)
法律で決まっている
夜勤手当(会社独自)
会社ごとに違う
出典:労働基準法(e-Gov法令検索)、東京労働局「しっかりマスター労働基準法 割増賃金編」(いずれも2026年9月14日確認)。
「うちは夜勤手当が出ているから大丈夫」とは、まだ言えません。
大事なのは夜勤手当の金額が、法律で計算した深夜割増の額以上になっているかです。
深夜割増は午後10時〜午前5時の労働に25%以上(労働基準法第37条)
e-Gov法令検索に掲載された労働基準法第37条。第4項で、午後10時から午前5時までの間に労働させた場合は通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないと定め、第5項で家族手当・通勤手当などは割増賃金の基礎となる賃金に算入しないと定めている
労働基準法第37条第4項には、次のように書かれています。
使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
ポイントは3つです。
- 対象は「午後10時から午前5時まで」に働いた時間だけ。夕方6時から始まる夜勤でも、午後10時までの4時間は深夜割増の対象外
- 率は「2割5分以上」。25%は最低ラインで、会社がそれより高くするのは自由
- 「夜勤」「宿直」などの呼び方は関係ない。その時間帯に労働していれば対象
東京労働局のリーフレットにも、深夜に労働させたときは「法定内・時間外・法定休日のいずれの場合であっても、別途深夜手当を支払う必要があります」と書かれています。
所定労働時間の中の夜勤でも、残業としての夜勤でも、深夜の時間には25%以上が上乗せされるということです。
「夜勤手当」という名前の手当は会社ごとに決まる(国家公務員は25%)
e-Gov法令検索に掲載された一般職の職員の給与に関する法律第18条(夜勤手当)。正規の勤務時間として午後10時から翌日の午前5時までの間に勤務することを命ぜられた職員には、その間に勤務した全時間に対して勤務1時間につき勤務1時間当りの給与額の100分の25を夜勤手当として支給すると定めている
「夜勤手当」という言葉が法律の中に出てくる例として、国家公務員の給与法があります。
第18条では、午後10時から翌午前5時までの勤務に対して、勤務1時間当りの給与額の100分の25を「夜勤手当」として支給すると定めています。
中身は、民間の深夜割増と同じ25%です。
また、人事院の運用方針では、この夜勤手当は休憩時間及び睡眠時間を除いた実働時間に対して支給するとされています。
一方、民間の会社の「夜勤手当」は、就業規則や賃金規程で会社が自由に名前と金額を決めています。
「1回あたり○円」の定額にしている会社もあれば、深夜割増とは別に上乗せしている会社もあります。
トラック・タクシー・警備など民間の夜勤手当について、平均額を示す公的な統計は、編集部が確認した範囲では見つかりませんでした。
ネット上の「相場」の数字は出典が不明なものが多いので、比べるなら次の見出しの方法で「最低いくら払われているはずか」を自分で計算するほうが確実です。
夜勤手当(深夜割増)の計算方法は「1時間あたりの賃金×25%×時間数」
深夜割増の計算は、次の3ステップです。
- 自分の「1時間あたりの賃金」を出す
- それに0.25(25%)を掛ける
- 午後10時〜午前5時に実際に働いた時間数を掛ける
難しいのは1だけです。
月給制と歩合給で出し方が違うので、順番に見ていきます。
月給制の1時間あたりの賃金は「月給÷1か月平均所定労働時間」
東京労働局「しっかりマスター労働基準法 割増賃金編」の1時間あたりの賃金の計算。月給÷1年間における1か月平均所定労働時間で計算し、家族手当・通勤手当・別居手当・住宅手当・臨時の手当は月給に含めないこと、基本給235,000円と精皆勤手当8,000円、年間所定休日122日・1日8時間の場合は1時間あたり1,500円になる例が示されている
東京労働局のリーフレットでは、月給制の1時間あたりの賃金を次の式で出します。
月給÷1年間における1か月平均所定労働時間
リーフレットの例をそのまま使うと、こうなります。
- 基本給235,000円、精皆勤手当8,000円、家族手当20,000円、通勤手当15,000円
- 年間所定休日122日、1日の所定労働時間8時間
- 1か月平均所定労働時間:(365−122)×8÷12=162時間
- 1時間あたりの賃金:(235,000+8,000)÷162=1,500円
家族手当と通勤手当が計算に入っていないのがポイントです。
リーフレットでは、家族手当・扶養手当・子女教育手当、通勤手当、別居手当・単身赴任手当、住宅手当、臨時の手当は「月給」に含めないとしています。
ただし、家族数や距離などに関係なく一律に支給している場合は、月給に含めると注記があります。
この1,500円の人が、次の夜勤をした場合で試算してみます(編集部の試算)。
- 勤務:午後9時〜翌午前6時、休憩1時間(深夜の時間帯に取る)
- 深夜に働いた時間:午後10時〜午前5時の7時間−休憩1時間=6時間
- 1回の深夜割増:1,500円×0.25×6時間=2,250円
- 月10回なら:2,250円×10回=22,500円
月給の人の場合、深夜の時間の「1.00」の部分は月給に含まれているので、上乗せされるのは0.25の部分です。
この例の人が「夜勤手当 1回2,000円」だけで深夜割増が別に付いていないなら、1回あたり250円足りない計算になります。
残業や休日と重なると50%・60%になる
東京労働局「しっかりマスター労働基準法 割増賃金編」の割増賃金の種類と割増率の表。時間外は25%以上(月60時間超は50%以上)、休日は35%以上、深夜は22時から5時までの間に勤務させたとき25%以上とされ、22時から5時までの法定時間外残業は1時間あたりの賃金×1.50(1.25+0.25)になる例が示されている
深夜割増は、残業(時間外)や休日の割増と足し算で重なります。
リーフレットの表と例から整理すると、次のとおりです。
- 深夜だけ(所定労働時間内の夜勤):25%以上
- 法定時間外の残業が深夜に及んだ:25%+25%=50%以上(1時間あたりの賃金×1.50)
- 法定休日の労働が深夜に及んだ:35%+25%=60%以上(1時間あたりの賃金×1.60)
先ほどの1,500円の人が、朝5時前に残業として1時間延びた場合、その1時間は1,500円×1.50=2,250円以上になります。
また、時間外労働が1か月60時間を超えた部分は50%以上で、中小企業にも2023年4月1日から適用されていると表に書かれています。
長距離の運行などで残業が多い月は、深夜と重なった時間の単価がさらに上がります。
給与明細で「深夜手当(深夜割増)」と「時間外手当」が別々に立っているかを確認してみてください。
片方しか付いていない場合、重なった時間をどう計算しているか会社に聞く根拠になります。
歩合給のドライバーは「歩合給÷総労働時間」で計算する
東京労働局「しっかりマスター労働基準法 割増賃金編」の歩合給制(実績給)の割増賃金計算。歩合給制であっても法定労働時間を超えた部分は割増賃金が必要で、歩合給の額を総労働時間で割って1時間あたりの賃金を計算すること、歩合給190,000円・総労働時間190時間なら基礎時給額1,000円、1時間当たりの割増賃金額250円になる例が示されている
タクシーや一部の配送ドライバーのように、売上に応じた歩合給で働いている人もいます。
リーフレットには、歩合給制でも割増賃金が必要で、1時間あたりの賃金は次のように出すと書かれています。
歩合給制の場合は、歩合給の額を総労働時間で割って1時間あたりの賃金を計算します。
月給制との違いは、割る時間が「所定労働時間」ではなく「その月に実際に働いた総労働時間」になる点です。
リーフレットの例は次のとおりです。
- 歩合給190,000円÷総労働時間190時間=1,000円(基礎時給額)
- 1,000円×0.25=250円(1時間当たりの割増賃金額)
リーフレットの例は時間外労働ですが、同じ250円を深夜の時間に当てはめると、その月に午後10時〜午前5時に60時間働いた人なら250円×60時間=15,000円が深夜分の目安になります(編集部の試算)。
歩合給の場合、長く働くほど1時間あたりの賃金は下がります。
それでも「歩合だから深夜分は含まれている」ことにはならない、というのがリーフレットの考え方です。
なお、固定給と歩合給が組み合わさっている場合の具体的な計算例は、このリーフレットには記載がありません。
タクシーの固定給・歩合給・保障給の仕組みは、タクシー運転手の給料|歩合の仕組みと保障給・足切りの見方で詳しくまとめています。
夜勤手当が出ない・少ないときに確認する3つのこと
計算してみて金額が合わないとき、会社から返ってきやすい説明が3つあります。
「管理職だから」「手当に込みだから」「待機や仮眠は労働じゃないから」です。
それぞれ、公的な資料にどう書かれているかを確認します。
管理職でも深夜の割増賃金は必要
東京労働局「しっかりマスター労働基準法 割増賃金編」の管理職と割増賃金。管理監督者には時間外手当・休日手当を支払う必要はないが、管理監督者かどうかは部長・営業所長といった肩書きではなく実態により判断すること、なお深夜手当は管理監督者に対しても支払う必要があることが記載されている
「運行管理の主任になったから残業代は出ない」「現場の所長だから手当はない」と言われることがあります。
リーフレットには、次のように書かれています。
なお、深夜手当は管理監督者に対しても支払う必要があります。
さらに、管理監督者に当たるかどうかは「部長」「営業所長」といった肩書きではなく、実態で判断するとも書かれています。
部下の採用や給与の決定などの権限があるか、出退勤の時間が本人の裁量に任されているか、地位にふさわしい賃金が払われているか、といった点です。
条文でも確認できます。
労働基準法第41条で管理監督者などに適用しないとされているのは「労働時間、休憩及び休日に関する規定」で、深夜の割増賃金は挙げられていません。
これに対して、高度プロフェッショナル制度を定めた第41条の2では「深夜の割増賃金に関する規定」も適用しないと、わざわざ書き分けられています。
夜勤のある施工管理の現場責任者も、肩書きだけで深夜分がゼロになるわけではないということです。
施工管理の働き方と転職の考え方は、施工管理の転職理由|統計で見る本音と面接での伝え方でまとめています。
「夜勤手当込み」「業務手当」で一律に払う場合は差額が必要
東京労働局「しっかりマスター労働基準法 割増賃金編」の誤解しやすいケース「残業手当の一律支給は要注意」。一律支給する場合は業務手当が残業手当の定額払いであることを就業規則等に明記する必要があり、実際の残業時間から計算した時間外手当より業務手当が低い場合は不足額も支払わなければならず、過不足を翌月に繰り越して相殺することはできないと回答している
「夜勤手当に深夜分も含めて払っている」という説明自体は、それだけで違法とは限りません。
ただし、条件があります。
リーフレットの「残業手当の一律支給」のQ&Aには、次のように書かれています。
- 一律支給する場合は、その手当が割増賃金の定額払いであることを就業規則等に明記する必要がある
- 実際に計算した額より手当が低い場合は、不足額もあわせて支払わなければならない
- 過不足を翌月に繰り越して相殺することはできない
このQ&Aは残業手当の例ですが、深夜割増を定額の手当で払う場合も、確認する順番は同じです。
- 就業規則や賃金規程に「夜勤手当は深夜割増賃金として支給する」と書いてあるか
- その月の深夜の時間数で計算した額(1時間あたりの賃金×0.25×時間数)より、夜勤手当が多いか
- 足りない月に、差額が払われているか
深夜の時間が多い月ほど、定額の夜勤手当では足りなくなりやすいので、繁忙期の明細で確認するのがおすすめです。
待機や仮眠の時間も「指揮命令下」なら労働時間になる
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」リーフレットの労働時間の考え方。労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、就業規則などの定めではなく客観的に判断されること、使用者の指示があれば即時に業務に従事することを求められ労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる手待時間)は労働時間に該当することが記載されている
深夜割増は「働いた時間」に付くので、どこまでが労働時間かで金額が変わります。
車中待機や現場での待ち時間が長い仕事では、ここがいちばん揉めやすいところです。
厚生労働省のガイドラインでは、労働時間を次のように説明しています。
- 労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間
- 労働時間に当たるかどうかは、労働契約や就業規則などの定めで決まるのではなく、客観的に判断される
- 使用者の指示があれば即時に業務に従事することを求められ、労働から離れることが保障されていない状態で待機している時間(いわゆる「手待時間」)は労働時間に当たる
深夜の荷待ちで、呼ばれたらすぐ車を動かさなければならない。
警備の夜勤で、仮眠中でも警報が鳴れば対応しなければならない。
こうした時間が「休憩」扱いになっていると、その分の深夜割増が付いていないことになります。
ただし、仮眠時間がどんな条件なら労働時間になるかの具体的な基準は、このガイドラインには記載がありません。
「呼ばれたら即対応する義務があったか」「実際にどれくらい呼ばれていたか」など、実態で判断されることになります。
待機時間と休憩の違い、トラック運転者の拘束時間と休息期間の決まりは、夜勤明けとは|制度上の休息は9時間、明けは休日にならないで詳しく扱っています。
現場メモ
荷待ちの時間を運転日報に「休憩」とだけ書いていると、あとから労働時間だったことを示すのが難しくなります。
待機の開始・終了の時刻と、「呼ばれたら動く状態だった」ことを、日報やスマホのメモに一言残しておくだけでも記録として役に立ちます。
夜勤手当の未払いは3年さかのぼって確認できる
計算してみて「足りていないかもしれない」と思ったとき、気になるのは「いつの分まで請求できるのか」です。
未払賃金を請求できる期間は当分の間3年
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署のリーフレット「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」。2020年4月1日以降に支払われる賃金に適用され、賃金請求権の消滅時効期間は5年(旧法では2年)に延長しつつ当分の間は3年、賃金台帳などの記録の保存期間と付加金の請求期間も当分の間3年とされていることが記載されている
厚生労働省のリーフレットによると、2020年4月1日以降に支払期日が来る賃金は、賃金支払期日から5年(これまでは2年)に延長しつつ、当分の間は3年で時効になります。
時効が延びた対象には、「時間外・休日労働等に対する割増賃金(労基法37条)」がはっきり含まれています。
深夜割増も第37条の割増賃金なので、この対象です。
つまり、2026年9月の時点なら、おおむね2023年秋ごろ以降の給料日の分までさかのぼって確認できるということです。
毎月の差額が数千円でも、3年分になるとまとまった金額になります。
また、裁判所が労働者の請求により、未払賃金に加えて「付加金」の支払いを命じることができる制度もあり、その請求期間も当分の間3年とされています。
賃金台帳やタイムカードは会社に3年保存の義務がある
厚生労働省リーフレットの賃金台帳などの記録の保存期間(労基法109条)。事業者が保存すべき賃金台帳などの記録の保存期間は5年に延長しつつ当分の間は3年とされ、保存期間延長の対象として労働者名簿、賃金台帳、賃金に関する書類、出勤簿やタイムカードなどの記録、始業・終業時刻など労働時間の記録に関する書類が挙げられている
請求するには、何時から何時まで働いたかの記録が必要です。
同じリーフレットの裏面では、会社が保存すべき記録として次のものが挙げられ、保存期間は当分の間3年とされています。
- 賃金台帳
- 賃金に関する書類(賃金決定関係書類など)
- 出勤簿、タイムカードなどの記録
- 始業・終業時刻など労働時間の記録に関する書類
会社側に記録を残す義務があるということは、自分の分の記録を確認したいと求める根拠にもなるということです。
あわせて、自分でも次のものを手元に残しておくと安心です。
- 毎月の給与明細(捨てずに3年分)
- 勤務表やシフト表の写真
- 運転日報・点呼記録のコピー、出退勤の時刻のメモ
相談先は、事業所の所在地を管轄する労働基準監督署または都道府県労働局と、リーフレットに書かれています。
夜勤手当で給料を比べるなら求人票のここを見る
いまの職場の夜勤手当を確認したら、次に考えたいのは「夜勤の負担に見合った給料になっているか」です。
深夜割増が正しく払われていても、1時間あたりの賃金そのものが低ければ、夜勤を増やしても手取りはあまり増えません。
固定残業代の求人は「深夜分を追加で払う旨」の明示が必要
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークのリーフレット「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。」。固定残業代とは名称にかかわらず一定時間分の時間外労働・休日労働および深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金のことで、固定残業代制を採用する場合は固定残業代を除いた基本給の額、労働時間数と金額等の計算方法、固定残業時間を超える時間外労働・休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨のすべてを明示するよう求めている
転職を考えて求人票を見るときに、夜勤のある仕事で特に確認したいのが固定残業代の書き方です。
厚生労働省のリーフレットでは、固定残業代を「その名称にかかわらず、一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金」と説明しています。
そのうえで、固定残業代制を採用する場合は、募集要項や求人票に次の3つをすべて明示するよう求めています(若者雇用促進法に基づく指針)。
- 固定残業代を除いた基本給の額
- 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
- 固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨
リーフレットの注意点には、「深夜労働や休日労働について固定残業代制を採用する場合も、同様の記載が必要です」とも書かれています。
夜勤のある求人を比べるときは、次の順で見ると判断しやすくなります。
- 基本給はいくらか(手当を除いた金額。深夜割増の元になる)
- 夜勤手当は「深夜割増とは別」か「深夜割増を含む」か
- 固定残業代があるなら、何時間分でいくらか、超えた分と深夜分は追加で払うと書いてあるか
- 月の夜勤回数や、休憩・仮眠の時間がどう扱われているか
現場メモ
「月給30万円以上(夜勤手当含む)」のように、手当込みの総額だけが大きく書かれた求人は珍しくありません。
面接では「基本給と夜勤手当の内訳」と「夜勤手当は深夜割増とは別に出るか」の2点を聞くと、入社後の明細とのずれを防ぎやすくなります。
タクシーは深夜の時間帯に売上が伸びやすい一方、給料は歩合の比重が大きく、会社ごとの賃金規程の差が大きい仕事です。
給料の仕組みと勤務形態の違いは、タクシー転職の始め方|給料の仕組みと二種免許・勤務形態で整理しています。
トラック・配送・送迎など職種ごとの年収と求人票の見方は、ドライバー求人の探し方|職種別の年収と求人票の見方にまとめました。
夜勤手当についてよくある質問
夜勤手当は法律で支払いが義務づけられていますか
「夜勤手当」という名前の手当そのものは、会社が独自に決めるもので、法律上の義務や金額の決まりはありません。
一方、午後10時から午前5時までに働いた時間には、25%以上の深夜割増賃金を払うことが労働基準法第37条で義務づけられています。
夜勤手当がこの深夜割増を含むのか、別に払われるのかを就業規則や賃金規程で確認してください。
夜勤手当の相場はいくらですか
トラック・タクシー・警備など民間の夜勤手当について、平均額を示す公的な統計は、編集部が確認した範囲では見つかりませんでした。
比べるなら、自分の1時間あたりの賃金×0.25×深夜の時間数で、法律上最低いくら払われているはずかを計算するのが確実です。
東京労働局のリーフレットの例(1時間あたり1,500円)で、深夜に6時間働くと1回2,250円になります(編集部の試算)。
午後6時から始まる夜勤でも全部に深夜割増が付きますか
付きません。
深夜割増の対象は午後10時から午前5時までに働いた時間だけです。
午後6時〜午後10時の時間は、残業に当たる場合を除いて通常の賃金になります。
会社独自の夜勤手当で、この時間帯も含めて上乗せしている場合はあります。
パートやアルバイトでも深夜割増はもらえますか
労働基準法第37条第4項は、正社員かどうかで区別していません。
午後10時から午前5時までに働いた時間があれば、パートやアルバイトでも25%以上の割増の対象です。
時給制なら、時給×0.25×深夜の時間数が上乗せの目安になります。
18歳未満でも夜勤はできますか
労働基準法第61条では、満18歳未満の人を午後10時から午前5時までの間に働かせてはならないとされています。
ただし、交替制で働く満16歳以上の男性は例外とされているなど、条文にはいくつかの例外があります。
仮眠時間にも深夜割増は付きますか
厚生労働省のガイドラインでは、指示があればすぐに業務に就くことを求められ、労働から離れることが保障されていない待機の時間(手待時間)は労働時間とされています。
労働時間に当たるなら、その時間が深夜帯であれば深夜割増の対象です。
ただし、仮眠時間がどんな条件なら労働時間になるかの具体的な基準は、ガイドラインには記載がありません。
呼び出しへの対応義務や実際の対応状況など、実態で判断されます。
まとめ:夜勤手当は「法律の深夜割増以上か」で確認する
要点を整理します。
- 「夜勤手当」は会社独自の手当で、金額に法律の決まりはない。民間の平均額の公的統計は見当たらない
- 午後10時〜午前5時の労働には、25%以上の深夜割増賃金が法律上の義務(労働基準法第37条第4項)
- 計算は1時間あたりの賃金×0.25×深夜の時間数。月給制は「月給÷1か月平均所定労働時間」、歩合給は「歩合給÷総労働時間」
- 残業と重なると50%以上、法定休日と重なると60%以上
- 管理職でも深夜手当は必要。定額の夜勤手当で払う場合も、計算額より少なければ差額が必要
- 呼ばれたらすぐ動く待機(手待時間)は労働時間
- 未払いの割増賃金は当分の間3年さかのぼって請求できる。明細と勤務記録は3年分残す
- 求人票では、基本給・夜勤手当の内訳・固定残業代の深夜分の扱いを確認する
夜勤そのものの負担を減らす工夫は、夜勤明けの過ごし方|ドライバー・現場職の回復ルーティンにまとめています。
そのうえで、深夜割増を含めて計算しても夜勤の負担に見合わないと感じるなら、給料の仕組みが違う職場を比べてみるのも選択肢です。
歩合と固定給の違いから確認したい人は、タクシー転職の始め方|給料の仕組みと二種免許・勤務形態を読んでみてください。
計算が合わない、会社の説明に納得できないときは、事業所を管轄する労働基準監督署に相談できます。












コメント