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夕方から出勤なのに、昼すぎに目が覚めてしまって、そこから眠れない。
結局そのまま出て、深夜2時ごろに一番きつい眠気がくる。
夜勤のある仕事をしていると、夜勤明けより「夜勤前」の過ごし方で迷うことがあります。
結論から言うと、夜勤前の過ごし方は「仮眠をとる」「カフェインの量と時刻を決める」「寝る直前に食べない・飲まない」の3つを先に決めておくのが、公的な資料に沿ったやり方です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、夜勤前に仮眠をとることが夜勤中の眠気や仕事効率の低下に有効であるという報告がある、と書かれています。
この記事では、次の2つの公的な資料だけを使って、夜勤前にやることを整理します。
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(交替制勤務・カフェイン・アルコール・食事の項目)
- 国土交通省「睡眠不足に起因する事故の防止対策を強化します!!」(バス・タクシー・トラックの点呼)
どちらも2026年9月13日に公式のページとPDFを開いて確認した内容です。
資料に書かれていないことは、そのまま「記載なし」と書いています。
読み終えるころには、次の夜勤の前に「何時に寝て、何時にコーヒーを飲んで、何を食べないか」を自分で決められるようになります。
夜勤前の過ごし方は仮眠・カフェイン・食事の3つを時刻で決める
最初に全体の流れを置きます。
細かい根拠は、このあとの見出しで資料のキャプチャと一緒に確認します。
① 夜勤前の仮眠
出勤前にとる
② カフェイン
量と時刻を決める
③ 食事とお酒
寝る直前を避ける
出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」、国土交通省「睡眠不足に起因する事故の防止対策を強化します!!」(いずれも2026年9月13日確認)。体調や持病によって合う・合わないがあります。
3つとも、「何をするか」より「何時にするか」で効き方が変わる、というのが資料を読んで分かることです。
たとえば、同じコーヒー1杯でも、仮眠の直前に飲むのと、夜勤の終わりに飲むのとでは、意味がまったく違います。
前者は仮眠から起きやすくするため、後者は夜勤明けの睡眠を削る原因になりえます。
そこで、この記事では夜勤の前日から出勤までを、時刻の順に見ていきます。
夜勤前の過ごし方でいちばん大事なのは仮眠
最初に決めたいのは仮眠です。
睡眠ガイドの交替制勤務の項目で、仮眠は「業務中の眠気が改善し、仕事の効率が向上する場合がある」工夫として最初に挙げられています。
夜勤前の仮眠は夜勤中の眠気と仕事効率の低下に有効という報告がある
健康づくりのための睡眠ガイド2023の交替制勤務の注意点。コーヒーなどでカフェインを摂取してから仮眠を開始すると仮眠後の覚醒が容易になるとの報告、夜勤前に仮眠をとることが夜勤中の眠気や仕事効率の低下に有効であるという報告、夜勤中に適切に仮眠がとれるよう休養時間や場所の整備を検討することが望まれると記載されている
睡眠ガイドには、次のように書かれています。
また、夜勤前に仮眠をとることが、夜勤中の眠気や仕事効率の低下に有効であるという報告や、夜勤後の仮眠が睡眠不足を補い、非番日の覚醒度や仕事効率を上げる可能性が示されています。
夜勤前の仮眠は、公的な資料のなかで「有効であるという報告がある」と紹介されているということです。
「気休め」ではなく、研究の裏付けがある工夫として扱われています。
ただし、ここで正直に書いておくことがあります。
夜勤前の仮眠を「何分」「何時ごろ」とるのがよいかという具体的な数字は、睡眠ガイドには記載がありません。
数字が書かれているのは、次で紹介する「夜勤中の仮眠」のほうです。
そのため、夜勤前の仮眠の長さは、自分で試しながら決めることになります。
判断の目安として使えるのは、次の2つです。
- 起きたあとにぼんやりが長く残るなら、長すぎる可能性がある(夜勤中の仮眠で60分は効率が下がったという研究がある)
- 出勤前の支度や運転に必要な時間を逆算して、目覚ましを決める
同じ段落には、もう1つ使える記載があります。
この対策として、コーヒーなどでカフェインを摂取してから仮眠を開始すると、カフェインの覚醒効果により仮眠後の覚醒が容易になるとともに、睡眠慣性も生じにくくなるとの報告があります。
「睡眠慣性」は、起きた直後の強いぼんやり感のことです。
仮眠の前にコーヒーを飲んでおくと、起きたときにすっきりしやすいという報告がある、ということです。
これはカフェインの見出しで、量と時刻とあわせてもう一度扱います。
夜勤中の仮眠は0〜4時に始める20〜50分が目安とされている
健康づくりのための睡眠ガイド2023「交替制勤務者における注意点」。交替制勤務では仮眠やカフェイン摂取等を上手く利用することで業務中の眠気が改善し仕事の効率が向上する場合があること、夜勤中の0〜4時に開始する20〜50分間の仮眠は眠気や仕事効率・疲労を改善させると報告され、60分間と長めに設定した研究では仕事の効率が低下したと記載されている
夜勤前の過ごし方とあわせて、夜勤中の仮眠も決めておくと、出勤前の組み立てがしやすくなります。
睡眠ガイドには、夜勤中の仮眠について具体的な数字があります。
0~4時に開始する20~50分間の仮眠は、眠気や仕事効率、疲労を改善させることが報告されています。
一方で、長すぎる仮眠については次のように書かれています。
しかし、仮眠時間を60分間と長めに設定した研究では、仮眠をとるとかえって仕事の効率が低下したと報告されています。これは、仮眠が長すぎると眠りが深まり、覚醒後の強いぼんやり感(睡眠慣性)が生じやすいためと考えられます。
さらに、夜勤明けの睡眠への影響についても触れられています。
夜勤中の仮眠が夜勤後の睡眠に及ぼす影響については、多くの研究において影響はほとんどないとされています。
「夜勤中に仮眠すると、明けに眠れなくなるのでは」という心配については、多くの研究で影響はほとんどないとされているということです。
待機のある仕事に置き換えると、次のように使えます。
- 深夜0〜4時の間に待機や休憩が入るなら、そこで20〜50分の仮眠を狙う
- 長くとれる日でも、60分を超えて寝ると起きたあとの効率が落ちる研究があることを頭に入れておく
- 仮眠に入る前に、アラームを必ずセットする
もちろん、仮眠をとれるかどうかは職場の休憩の決まりしだいです。
トラックやタクシーの拘束時間・休息期間の考え方は、夜勤明けとは|制度上の休息は9時間、明けは休日にならないで改善基準告示をもとに整理しています。
現場メモ
車内で仮眠をとる場合、「何分寝るか」と同じくらい「どこで起きるか」が大事です。
荷積みの呼び出しや配車の連絡を逃さないよう、スマホのアラームは振動と音の両方にしておくと安心です。
待機中にスマホで動画を見る人は、仮眠前に画面を閉じて、アラームだけ残す習慣をつけておくと寝入りやすくなります。
夜勤前の過ごし方で気をつけたいカフェインの量と時刻
夜勤前にコーヒーやエナジードリンクを飲む人は多いと思います。
睡眠ガイドでは、カフェインは「夜勤時の眠気に対してカフェインが有効な場合があります」と書かれています。
問題は量と時刻です。
ここは数字で決めてしまうのがいちばん確実です。
カフェインは1日400mg・コーヒー700cc程度までが目安
健康づくりのための睡眠ガイド2023「睡眠と嗜好品について」のポイント。カフェインの摂取量は1日400mg(コーヒーを700cc程度)を超えると夜眠りにくくなる可能性がある、カフェインの夕方以降の摂取は夜間の睡眠に影響しやすい、晩酌での深酒や寝酒は睡眠の質を悪化させる可能性がある、喫煙は睡眠の質を悪化させる可能性があると記載されている
睡眠ガイドのポイントには、次のように書かれています。
カフェインの摂取量は1日400mg(コーヒーを700cc程度)を超えると、夜眠りにくくなる可能性がある。
本文では、400mgの目安をドリップコーヒーでカップ4杯分(700cc)、市販のペットボトルコーヒーで1.5本分(750cc)と説明しています。
同じページの「飲料中のカフェイン量」の表から、夜勤前によく飲まれるものを抜き出すと次のとおりです。
- コーヒー:60mg/100ml
- インスタントコーヒー(顆粒製品):57mg/100ml
- 紅茶:30mg/100ml
- せん茶・ウーロン茶:20mg/100ml
- 玉露:160mg/100ml
- エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料:32〜300mg/100ml(製品1本当たりでは36〜150mg)
注意したいのはエナジードリンクです。
製品によってカフェインの濃さが大きく違うと表に書かれています。
コーヒーと同じ感覚で何本も飲むと、気づかないうちに400mgに近づきます。
飲む前に、缶の表示でカフェイン量を確認してください。
もう1つ、夜勤の多い人に関係する記載があります。
眠気覚ましにカフェインを摂取している人も少なからずいると思いますが、慢性的な摂取では効果が減弱し依存も生じます。
毎回の夜勤でカフェインに頼っていると、だんだん効かなくなるということです。
「効かなくなってきたから量を増やす」は、資料の記載からは逆の方向になります。
夜勤の後半にカフェインをとると夜勤明けの睡眠に響く
健康づくりのための睡眠ガイド2023「夕方以降はカフェインを控えめに」。19時に100mgのカフェインを摂取すると24時になっても50mg分が体内に残存すること、成人を対象とした系統的レビューでカフェイン摂取量が107mgを超過すると就寝時刻の約9時間前でも、217.5mgを超過すると約13時間前でも夜間の睡眠に影響することが示されていると記載されている
睡眠ガイドのこの部分は「夕方以降は控えめに」という、日勤の人向けの書き方になっています。
ただ、書かれている数字は「寝る時刻の何時間前に飲んだか」で示されているので、夜勤の人にもそのまま置き換えられます。
18~65歳までの成人を対象とした系統的レビューでは、カフェイン摂取量が107mgを超過すると、摂取時刻が就寝時刻の約9時間前であっても、夜間の睡眠に影響し、カフェイン摂取量が217.5mgを超過すると、約13時間前の摂取であっても夜間の睡眠に影響することが示されています。
また、カフェインの血中半減期(体内の濃度が半分になるまでの時間)は、日本人で3〜7時間とばらつきがあると書かれています。
これを夜勤に当てはめると、たとえば次のようになります。
- 朝8時に帰宅して9時に寝る予定の人が、夜中の0時にコーヒーを飲む → 就寝の約9時間前
- 同じ人が、明け方5時に眠気覚ましで飲む → 就寝の約4時間前
この研究は夜間の睡眠を対象にしたもので、夜勤明けの昼間の睡眠で同じ結果になるかは、睡眠ガイドには記載がありません。
それでも、「飲んだ時刻から数時間は体に残る」という仕組みは同じです。
夜勤明けに眠れない人は、夜勤の後半に飲んでいるカフェインの量を一度書き出してみてください。
夜勤前の過ごし方としては、次のように決めておくと迷いません。
- カフェインは夜勤前〜夜勤の前半に寄せる
- 仮眠をとるなら、仮眠の直前に飲む(起きやすくなるという報告がある)
- 夜勤の後半、明けの睡眠が近い時間帯は控える
- 1日の合計は400mgを超えない
夜勤前の過ごし方で食事とお酒は「寝る直前」を避ける
次は食事とお酒です。
夜勤前は「寝る → 起きて出勤」と「出勤前に食べる → 夜勤中に食べる」が重なるので、タイミングがずれやすくなります。
寝る直前の夜食や間食は体内時計を後ろにずらす
健康づくりのための睡眠ガイド2023「しっかり朝食を摂り、就寝直前の夜食を控える」。朝食の欠食で体内時計が後退すること、就寝前の夜食や間食は朝食の欠食と同様に体内時計を後退させ翌朝の睡眠休養感や主観的睡眠の質を低下させること、夜食や間食の過剰摂取は糖尿病や肥満、閉塞性睡眠時無呼吸の発症リスクを高めることが記載されている
睡眠ガイドの食事の項目には、次のように書かれています。
就寝前の夜食や間食は、朝食の欠食と同様に体内時計を後退させ、翌朝の睡眠休養感や主観的睡眠の質を低下させることが報告されています。
さらに、夜食や間食をとりすぎると、糖尿病や肥満、閉塞性睡眠時無呼吸の発症リスクも高めると報告されていると書かれています。
この項目も日勤の生活を前提にした書き方です。
夜勤の人向けに「何時に何を食べるとよいか」という具体的な推奨は、睡眠ガイドには記載がありません。
そのうえで、書かれている内容を夜勤前の過ごし方に置き換えると、次の2点になります。
- 夜勤前の仮眠の直前に、たくさん食べない(寝る前の食事にあたる)
- 夜勤明けに帰宅してすぐ寝るなら、明け方にがっつり食べない(これも寝る前の食事にあたる)
仕事の都合で夜中に食事をとらざるをえない人も多いと思います。
その場合は、「寝る直前にしない」「量を増やしすぎない」の2つだけでも意識しておくと、資料の記載に沿った形になります。
同じ項目には、塩分についての記載もあります。
日中にとった食塩の過剰分は睡眠中に排泄されるため、夜間の排尿回数が増えると書かれています。
車内待機中にしょっぱいものを食べ続けていると、仮眠中にトイレで起きる原因になりえます。
夜勤前も夜勤明けも「寝酒」は眠りの後半を悪くする
健康づくりのための睡眠ガイド2023のアルコールの項目。「晩酌は控えめにし、寝酒はしない」とあり、アルコールは一時的には寝つきを促進し睡眠前半では深い睡眠を増加させるが、睡眠後半の眠りの質は顕著に悪化し飲酒量が増えるにつれて中途覚醒回数が増加すること、寝つきを改善させるための飲酒(寝酒)や毎日の飲酒は推奨されないことが記載されている
夜勤前の仮眠や、夜勤明けの睡眠のために、お酒の力を借りたくなることがあります。
睡眠ガイドには、はっきり次のように書かれています。
アルコール(エタノール)は一時的には寝つきを促進し、睡眠前半では深い睡眠を増加させます。しかし、睡眠後半の眠りの質は顕著に悪化し、飲酒量が増加するにつれて中途覚醒回数が増加することが報告されています。
寝つきはよくなっても、眠りの後半が悪くなるということです。
仮眠のような短い睡眠でも、夜勤明けの長い睡眠でも、「途中で目が覚める」原因になります。
また、アルコールを続けて飲むと依存や耐性ができ、飲まないと眠れない状態になる可能性があるとも書かれています。
日本人を含むアジア人は、アルコールを分解する酵素の活性が低い人が多く、少量でも影響を強く受けやすいという記載もあります。
ドライバーの場合は、睡眠の質だけの問題ではありません。
出勤前の点呼では、アルコールチェックも行われます。
国土交通省の睡眠不足対策のページでも、睡眠不足の判断は「アルコールチェックと異なり数値で判断できるものではありません」と説明されています。
夜勤前の仮眠の前にお酒を飲むのは、仕事の面からも避けてください。
ドライバーの夜勤前の過ごし方は睡眠不足を申し出る決まりがある
ここからは、バス・タクシー・トラックの運転の仕事をしている人に関係する内容です。
夜勤前に眠れなかったとき、どうすればいいかが国の制度として決まっています。
2018年6月から睡眠不足は乗務させてはならない事由になった
国土交通省「睡眠不足に起因する事故の防止対策を強化します!」のページ。平成30年6月1日から、事業者が乗務員を乗務させてはならない事由等に睡眠不足を追加、運転者が遵守すべき事項として睡眠不足により安全な運転ができないおそれがあるときは事業者に申し出ることを追加、点呼の確認事項と記録事項に睡眠不足を追加すると記載されている
国土交通省のページによると、平成30年(2018年)6月1日から、バス・タクシー・トラック事業者に対して、次の対策が強化されています。
- 事業者が乗務員を乗務させてはならない事由等として、睡眠不足を追加
- 運転者が遵守すべき事項として、睡眠不足により安全な運転ができないおそれがあるときは、その旨を事業者に申し出ることを追加
- 乗務前等の点呼で、睡眠不足により安全な運転ができないおそれの有無を確認する
- 点呼の記録事項に、睡眠不足の状況を追加
つまり、夜勤前に眠れず、安全に運転できないおそれがあるときは、申し出ることが運転者の決まりになっているということです。
「言い出しにくい」ではなく、ルールとして申し出る側にあります。
同じページのよくある質問には、次の回答もあります。
- 申し出は、出庫時の点呼だけでなく、乗務を始めたあとに眠気を感じたときも含む
- 運転者から睡眠不足で安全に運転できないおそれがあると申告があった場合、事業者はその運転者を乗務させてはならない
- 本人が大丈夫と申告しても、運行管理者が普段の様子から判断して、乗務させないこともある
何時間寝ればいいかの一律の基準はない・マニュアルは6〜7時間を推奨
国土交通省の睡眠不足対策のよくある質問Q4。運転者により睡眠時間が何時間必要かについては個人差があるため一律の基準は設けていないこと、点呼で申告や顔色・仕草・話し方も含めて総合的に確認すること、指導及び監督の実施マニュアルでは6〜7時間の連続した睡眠をとるよう指導することを推奨していることが回答されている
「夜勤前に何時間寝ていれば大丈夫なのか」も、同じページで答えられています。
運転者により睡眠時間が何時間必要かについては、個人差があるため、睡眠時間が一定時間以下であった場合は乗務させてはならない等の一律の基準は設けておりません。
「何時間以上寝ていればOK」という国の一律の基準はないということです。
点呼では、本人の申告に加えて、顔色・仕草・話し方も含めて、普段と違うところがないかを総合的に確認するとされています。
一方で、目安になる数字も書かれています。
なお、当省で作成している「自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル」では、従来から6~7時間の連続した睡眠をとるよう指導することを推奨しているところです。
さらに、厚生労働省の睡眠指針(2014年版)で「睡眠時間が6時間未満の者では7時間の者と比べて居眠り運転の頻度が高い」という研究結果が示されていることも紹介されています。
夜勤前の過ごし方に落とすと、こうなります。
- 夜勤前の本睡眠で6〜7時間の連続した睡眠がとれるよう、前日からの予定を組む
- それが難しい日は、出勤前の仮眠で補う
- それでも眠気が残るなら、点呼で申し出る
休息期間(勤務と勤務の間に何時間空ける決まりか)については、夜勤明けとは|制度上の休息は9時間、明けは休日にならないで2024年4月の改正内容をまとめています。
夜勤前の過ごし方は週1〜2回の夜勤と連続夜勤で変える
最後に、夜勤の入り方によって過ごし方を変える話です。
睡眠ガイドは、夜勤の回数によって体内時計の合わせ方が変わると書いています。
週1〜2回の夜勤なら体内時計を日勤に合わせたまま過ごす方法もある
健康づくりのための睡眠ガイド2023の遮光の項目。週に1〜2回程度の夜勤シフトが入る交替制勤務の場合、夜勤明けも日勤日と同じように朝〜午前中に日光を浴びて体内時計を日勤日に合わせる方法があること、この場合は夜勤明けでもすぐに睡眠をとらず夕方以降から普段よりやや長めの睡眠をとり翌朝は日勤日と同等時刻に起床するとよいこと、より頻回に夜勤シフトが入る勤務体系では睡眠不足がより深刻になる可能性があり注意が必要と記載されている
睡眠ガイドには、まず前提として、1日に修正できる体内時計の時間は数分から数時間程度と書かれています。
そのため、光を浴びたり遮ったりして体内時計を夜勤に完全に合わせるのは難しい、という説明です。
そのうえで、夜勤が週に1〜2回程度の場合について、次の方法が紹介されています。
週に1~2回程度の夜勤シフトが入る交替制勤務の場合、夜勤明けも日勤日と同じように朝~午前中に日光を浴び、体内時計を日勤日に合わせ(夜勤によるずれができるだけ生じないように)生活する方法もあります。
この場合は、夜勤明けでもすぐには寝ず、夕方以降から普段よりやや長めに眠り、翌朝は日勤の日と同じ時刻に起きるとよい、と書かれています。
可能であれば、夜勤中に職場で強い照明を避けるようにとも書かれています。
ただし、夜勤が多い勤務体系については注意書きがあります。
しかし、より頻回に夜勤シフトが入る勤務体系の場合、前述の方法だと睡眠不足がより深刻な問題となる可能性もあるため、注意が必要です。
これを夜勤前の過ごし方に落とすと、次のように分けて考えられます。
夜勤が週1〜2回のとき
→ 夜勤前日までは日勤と同じリズムで過ごし、夜勤前は仮眠で眠気に備える。
夜勤明けは朝の光を浴びて、夕方以降にしっかり眠る方法もある。
夜勤が続く・夜勤専従に近いとき
→ 上の方法だと睡眠不足が深刻になる可能性がある。
夜勤明けにまとまった睡眠をとり、夜勤前の仮眠と組み合わせて睡眠時間の合計を確保する。
なお、睡眠ガイドでは、勤務時間帯が夜から朝までの1パターンだけで固定されている働き方は、「交替制勤務」には含まれないと定義されています。
夜勤専従の人は、この項目がそのまま当てはまるわけではない点も覚えておいてください。
夜勤明けにやること(光の遮り方・仮眠・食事の順番)は、夜勤明けの過ごし方|ドライバー・現場職の回復ルーティンで詳しくまとめています。
夜勤前と夜勤明けをセットで決めておくと、1回の夜勤の流れがつながります。
現場メモ
夜勤前の時間を「寝られないから」とスマホで過ごしていると、画面の光と情報で余計に目が冴えてしまいます。
睡眠ガイドにも、寝床に就く前に少なくとも1時間はリラックスする時間をとることが有効と書かれています。
待機中や出勤前に動画を見るなら、仮眠の予定時刻の1時間前には見終わるように、見る本数を決めておくのがおすすめです。
待機中に動画を見たり音楽を流したりする人は、車内の通信環境もあわせて整えておくと、夜勤前後の時間を落ち着いて過ごしやすくなります。
車でネットを使う方法は、車のwifiは3択|待機中に動画を見る人が選ぶべきはどれかで比べています。
夜勤前の過ごし方でよくある質問
夜勤前は何時間寝ればいいですか
厚生労働省の睡眠ガイドには、夜勤前に何時間寝るべきかという具体的な数字は記載がありません。
運転の仕事については、国土交通省が「睡眠時間が何時間必要かは個人差があるため一律の基準は設けていない」としたうえで、指導監督のマニュアルでは6〜7時間の連続した睡眠をとるよう指導することを推奨していると回答しています。
夜勤前の仮眠は何分がいいですか
夜勤前の仮眠の長さについての具体的な推奨は、睡眠ガイドには記載がありません。
「夜勤前に仮眠をとることが夜勤中の眠気や仕事効率の低下に有効であるという報告がある」と書かれているだけです。
参考になるのは、夜勤中の仮眠の数字です。
0〜4時に始める20〜50分の仮眠は眠気や疲労が改善したと報告されていて、60分と長めにした研究では、かえって仕事の効率が下がったと書かれています。
夜勤前にコーヒーやエナジードリンクを飲んでもいいですか
睡眠ガイドには、カフェインは夜勤時の眠気に有効な場合があると書かれています。
ただし、1日400mg(コーヒー700cc程度)を超えると眠りにくくなる可能性があるとされています。
エナジードリンクは製品によってカフェインの量が大きく違い、表では1本当たり36〜150mgと書かれています。
飲む前に表示を確認し、夜勤明けの睡眠が近い時間帯は控えるようにしてください。
夜勤前に眠れなかったときはどうすればいいですか
運転の仕事の場合、睡眠不足で安全に運転できないおそれがあるときは、事業者に申し出ることが運転者の遵守事項として決められています(国土交通省・2018年6月1日から)。
申告があった場合、事業者はその運転者を乗務させてはならないとされています。
運転以外の仕事でも、眠気が強いまま危険な作業に入らないよう、職場に相談してください。
夜勤前にお酒を飲んで寝てもいいですか
睡眠ガイドでは「寝酒はしない」とされています。
アルコールは一時的に寝つきをよくしますが、睡眠後半の眠りの質が顕著に悪化し、飲酒量が増えるほど途中で目が覚める回数が増えると書かれています。
運転の仕事の場合は、出勤前の点呼でアルコールチェックも行われます。
夜勤で眠れない状態が続いたらどうすればいいですか
睡眠ガイドの交替制勤務の項目では、不眠や睡眠休養感の低下、業務中の眠気が続き、日常生活に支障を来している場合は、速やかに医療機関を受診することがポイントとして挙げられています。
自分の工夫だけで抱え込まず、医師に相談してください。
まとめ:夜勤前の過ごし方は時刻を決めておけば迷わない
要点を整理します。
- 夜勤前の過ごし方は、仮眠・カフェイン・食事とお酒の3つを「何時にするか」で決める
- 夜勤前の仮眠は、夜勤中の眠気や仕事効率の低下に有効という報告がある(厚生労働省 睡眠ガイド2023)。ただし長さ・時刻の具体的な推奨は記載なし
- 夜勤中の仮眠は、0〜4時に始める20〜50分で眠気や疲労が改善したと報告。60分では効率が下がった研究もある
- カフェインは1日400mg(コーヒー700cc程度)まで。仮眠の直前に飲むと起きやすいという報告がある一方、107mg超は就寝の約9時間前でも睡眠に影響したというレビューがある
- エナジードリンクは1本当たり36〜150mgと製品で大きく違う
- 寝る直前の食事は体内時計を後ろにずらす。寝酒は睡眠後半の質を悪くする
- 運転の仕事は、睡眠不足で安全に運転できないおそれがあるときは事業者に申し出る決まりがある(2018年6月1日から)。一律の睡眠時間の基準はなく、マニュアルは6〜7時間の連続睡眠を推奨
- 週1〜2回の夜勤と、夜勤が続く働き方では、体内時計の合わせ方が変わる
夜勤明けにやることは夜勤明けの過ごし方|ドライバー・現場職の回復ルーティンにまとめています。
あわせて読んで、次の夜勤の前後の流れを決めておいてください。
眠気や不眠が続いて日常生活に支障が出ている場合は、無理をせず医療機関に相談してください。










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