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トラックやタクシーからの転職先として、バスドライバーの求人が気になっている。
でも、大型二種免許を持っていないし、給料が下がるのではないか、シフトがきついのではないかと、応募まで踏み切れない。
そんな人は少なくないと思います。
結論から言うと、バスドライバー求人は、いま「免許を持っていない人」でも入口が用意されている数少ないドライバー職です。
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)には、大型二種免許の取得を積極的に支援する企業が増えていて、採用時に免許がなくても入社後に取得する条件で採用されると書かれています。
同じページの統計では、路線バス・貸切バス運転手のハローワークの有効求人倍率は7.17倍(令和7年度)です。
この記事では、次の一次情報だけを使って、バスドライバー求人を選ぶための材料を整理します。
- 厚生労働省 job tag(路線バス運転士・送迎バス等運転手)の仕事内容と統計
- 求人ボックス給料ナビの求人統計データ
- 警察庁の第二種免許の受験資格
- 東京都交通局の都営バス運転手(養成枠)と、東京都のバス運転手育成委託訓練
- 厚生労働省の改善基準告示(バス運転者)
すべて2026年9月13日に公式ページで確認した内容です。
公式に書かれていないことは、そのまま「記載なし」と書いています。
読み終えるころには、「自分の免許でどの求人に応募できるか」「給料と働き方の相場はどのくらいか」「求人票で何を確かめるか」が分かるようになります。
バスドライバー求人は路線・観光・送迎の3種類で免許と働き方が変わる
「バスドライバー求人」とひとくちに言っても、中身は大きく3つに分かれます。
最初にここを分けておかないと、給料も免許も比べられません。
① 路線バス(乗合バス)
求人数が多い・地域の足
② 観光バス(貸切バス)
長距離・宿泊あり
③ 送迎バス
普通免許から入れる場合あり
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「路線バス運転士」「観光バス運転士」「送迎バス等運転手」(2026年9月13日確認)。
この記事では、求人数が多く、免許の支援制度も整いつつある①路線バスと②観光バスを中心に扱います。
送迎バスのうち、施設や学校の送迎(普通免許で運転できるもの)については、送迎ドライバー求人の選び方|必要な免許と中抜け勤務の実際で免許区分を詳しく整理しています。
路線バス・観光バスの求人は大型二種免許が必要
厚生労働省job tagの路線バス運転士「就業するには」。学歴は不問だが就業には大型自動車第二種免許が必要、受験資格は所定の免許を取得しその運転経験が通算3年以上などが条件、運転士不足の中で大型二種免許取得を積極的に支援する企業が増えており採用時に免許を持っていなくても入社後に取得する条件で採用される、採用後1〜2カ月の就業前訓練を受けると記載されている
job tagの路線バス運転士のページには、就業に必要なものが次のように書かれています。
学歴は不問だが、就業には大型自動車第二種免許が必要となる。
大型二種免許は、お客さんを乗せて大型バスを運転するための免許です。
トラックの大型免許(大型一種)とも、タクシーの普通二種免許とも別の免許なので、どちらを持っていても、あらためて取得する必要があります。
注目したいのは、その続きです。
昨今の運転士不足の状況の中で、大型自動車第二種免許取得を積極的に支援する企業が増えており、そうした場合、採用時には免許を持っていなくても、入社後に免許を取得するという条件で採用される。
さらに、これまではトラックドライバーやタクシー運転手などからの転職が多かったのが、他業種や業界未経験者からの入職が増えているとも書かれています。
採用後の流れも書かれています。
- 採用されると1〜2カ月の就業前訓練(接客、運転の実地訓練、路線のコースや地理)
- 訓練の最後に、各営業所での実地試験
- 合格後に乗務開始
「免許を取ったら、すぐ1人で路線を走る」わけではないということです。
未経験の人にとっては、ここが安心材料になると思います。
送迎バスの求人は普通免許で応募できるものもある
厚生労働省job tagの送迎バス等運転手「就業するには」。施設・学校の送迎バス運転手はバスの大きさによって普通自動車免許か大型自動車免許が必要、バス会社に就職して送迎バスを運転する場合は大型自動車第二種免許が必要、大型二種免許の取得支援制度を導入しているバス会社も多いと記載されている
同じ「バス」でも、送迎バスは免許の条件が変わります。
job tagの送迎バス等運転手のページには、次のように書かれています。
施設・学校の送迎バス運転手として勤務する場合は、バスの大きさによって普通自動車免許か大型自動車免許が必要となる。バス会社に就職して送迎バスを運転する場合は、大型自動車第二種免許が必要である。
つまり、同じ送迎バスでも、誰の車を、誰の仕事として運転するかで必要な免許が変わります。
- 施設や学校が自前で運行する送迎(自家用扱い)→ 車の大きさに応じた普通免許・大型免許
- バス会社が請け負って、バス会社の車両で運行する送迎 → 大型二種免許
求人票に「送迎バス」とあっても、運行しているのが施設なのかバス会社なのかを確認しないと、応募条件を読み違えます。
また、同じページには、バス会社勤務の送迎バスは早朝勤務や深夜勤務が少なく、勤務時間の負担が比較的軽いため、就業者の平均年齢は高めとも書かれています。
バスドライバー求人の給与は年収400万円台が目安
次は給料です。
ここでは、国の統計を加工したjob tagの数字と、実際の求人から算出した求人ボックスの数字の、性質の違う2つを並べて見ます。
job tagの統計では年収453.1万円・有効求人倍率7.17倍
厚生労働省job tagの路線バス運転士の統計データ。令和7年賃金構造基本統計調査を加工した賃金(年収)は全国453.1万円、年齢56歳、1時間当たり賃金は一般労働者1,907円・短時間労働者1,588円。ハローワーク求人統計データでは令和7年度の求人賃金(月額)23.9万円(対前年度差0.9)、有効求人倍率7.17
job tagの路線バス運転士のページに掲載されている統計は、次のとおりです(2026年9月13日確認)。
- 賃金(年収):453.1万円(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)
- 年齢:56歳
- 労働時間:168時間
- 1時間当たりの賃金:一般労働者1,907円/短時間労働者1,588円(一般労働者は残業代・賞与を含む)
- ハローワークの求人賃金(月額):23.9万円(令和7年度・前年度から0.9万円増)
- ハローワークの有効求人倍率:7.17倍(令和7年度)
いちばん目を引くのは、有効求人倍率7.17倍です。
求職者1人に対して、7件以上の求人がある計算になります。
同じjob tagの送迎バス等運転手のページでは有効求人倍率が0.97倍(令和7年度)なので、路線バス・貸切バスの人手不足がどれだけ大きいかが数字で分かります。
平均年齢56歳という数字も、人手不足の背景を表しています。
若い世代の入職を増やすために、免許取得の支援が広がっているという流れと一致します。
一方で、数字を読むときに注意したい点が2つあります。
- 求人賃金(月額)23.9万円は、ハローワークの求人票に書かれた賃金です。年収453.1万円(残業代・賞与込みの統計)とは性質が違います
- job tagには「統計データは、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません」と注記されています。路線バスと観光バスは同じ職業分類「路線バス・貸切バス運転手」の数値です
job tagの労働条件の説明には、「通常は月給制であり、諸手当などの占める割合が高い」とも書かれています。
基本給だけを見て判断すると、実際の月収とずれることがある、ということです。
求人ボックスでは正社員の平均年収428万円・大阪府は523万円
求人ボックス給料ナビのバス運転手の年収・時給(2026年9月2日更新)。正社員の平均年収428万円(給与幅〜300万円から685万円〜)、アルバイト・パートの平均時給1,247円、派遣社員の平均時給1,507円。月給で換算すると36万円程度が相場、正社員の給料分布でボリュームが多いのは445〜493万円の水準と記載されている
もう1つの目安が、求人ボックス給料ナビです。
こちらは国の統計ではなく、求人ボックスに掲載された求人情報から算出した数字です(2026年9月算出・2026年9月2日更新)。
- 正社員の平均年収:428万円
- アルバイト・パートの平均時給:1,247円
- 派遣社員の平均時給:1,507円
- 月給換算:36万円程度が相場
- 正社員の給与幅:300〜685万円
ページの注記では、「平均年収」は集計対象求人の給与水準の中央値とされています。
いわゆる平均値ではない点に注意してください。
同じページには地域別の数字もあります。
- 大阪府:523万円(都道府県別で最も高い)
- 近畿:454万円
- 関東:426万円
- 中部・北陸:407万円
- 中国・四国:384万円
- 北海道・東北:374万円/九州・沖縄:374万円
- 北海道:349万円(都道府県別で最も低い)
同じバスドライバーでも、地域で170万円以上の差があるということです。
今の住まいから通える範囲でどのくらいの水準なのかを、自分の都道府県で確認しておくと、求人票の金額が高いのか低いのかを判断しやすくなります。
job tagの453.1万円と求人ボックスの428万円は、集計の方法も対象も違うので、どちらが正しいというものではありません。
どちらで見ても「年収400万円台」が1つの目安、と押さえておくのが現実的です。
現場メモ
トラックやタクシーから移る人は、「今の年収」と比べる前に、残業代と手当の内訳を分けておくと比較しやすくなります。
job tagにもあるとおり、バス会社の月給は手当の割合が高い傾向があるため、基本給どうしで比べると実態とずれます。
応募先には、モデル月収に含まれている手当と残業時間の前提を聞いておくのが確実です。
バスドライバー求人は免許なしでも「養成枠」から応募できる
ここからが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
大型二種免許を持っていない人がバスドライバーになるルートを、公的な情報で確認します。
大型二種免許の受験資格は21歳以上・普通免許等3年以上
東京都のバス運転手育成委託訓練の報道発表資料。主な要件として訓練終了後に学科試験を受験し大型自動車第二種免許を取得する意思のある方などが挙げられ、注記に試験を受験する日に満21歳以上であること、普通免許・準中型免許・大型特殊のいずれかの免許期間が通算して3年以上あること等と記載。費用は原則無料(仮免許申請手数料2,900円は受講者負担)、定員10名、訓練期間3か月程度、訓練実施場所は東急自動車学校
まず、大型二種免許を受けるための条件です。
東京都の報道発表資料には、法令に定める取得要件として次のように書かれています。
試験を受験する日に満21歳以上であること、普通免許・準中型免許・大型特殊のいずれかの免許期間が通算して3年以上あること等
つまり、原則は次の2つがそろっている必要があります。
- 21歳以上
- 普通免許などを持っている期間が通算3年以上
普通免許を取ってから3年たっていれば、年齢の条件さえ満たせば受験できるということです。
AT限定の普通免許でも、免許を持っている期間には数えられるかどうかは、この資料には記載がありません。
都営バスの養成枠では「普通自動車免許(AT限定も可)のみで応募が可能」と書かれているので、応募先の条件で確認してください。
特例教習を受ければ19歳以上・免許1年以上から受験できる
警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」。特別な教習を修了すると19歳以上であり、かつ普通免許等を受けていた期間が通算して1年以上あれば、第二種免許・大型免許・中型免許の運転免許試験を受けることができる。年齢要件を19歳以上に引き下げる特例の教習は座学や実車を含む7時限以上と記載されている
「21歳・3年」の条件には、特例があります。
警察庁のページには、次のように書かれています。
特別な教習を修了すると、19歳以上であり、かつ、普通免許等を受けていた期間が通算して1年以上あれば、第二種免許、大型免許及び中型免許の運転免許試験を受けることができることとなります。
教習の中身は2種類です。
- 年齢要件を19歳以上に引き下げる特例:座学や実車を含む7時限以上(旅客自動車の運転に必要な適性=自己制御能力)
- 経験年数要件を普通免許等1年以上に引き下げる特例:座学や実車を含む29時限以上(危険予測・回避能力)
受験資格特例教習を実施している教習所は、都道府県警察の窓口に問い合わせるよう案内されています。
ただし、特例で取った場合のルールがあります。
年齢の特例を使って取得すると、本来の年齢(大型二種は21歳)になるまでは「若年運転者期間」になります。
この期間に違反の点数が合計3点以上になると、若年運転者講習(9時間)を受ける義務があり、受けなかった場合は特例で取った免許が取り消されると書かれています。
なお、東京都のバス運転手育成委託訓練は「特例教習対象者は対象としない」と明記されているので、特例を使う人は別のルートを探すことになります。
都営バスの養成枠は普通免許だけで応募でき、取得費用は交通局が全額負担
東京都交通局「令和8年度東京都交通局 都営バス運転手(養成枠)採用選考を実施します!」。都営バス運転手(養成枠)採用選考は普通自動車免許(AT限定も可)のみで応募が可能、大型自動車二種免許を東京都交通局に勤めながら取得を目指せ、その取得費用は東京都交通局が全額負担(規定有)、一次選考には適性検査(SPI3)を導入。採用選考案内(抜粋)として募集期間は令和8年5月15日から6月3日15時、一次選考日は6月12日から6月21日のうち1日、正式採用予定日はA日程令和9年3月1日・B日程令和9年5月1日
養成枠の具体例として、東京都交通局の都営バスを見てみます。
公式のお知らせには、次のように書かれています。
都営バス運転手(養成枠)採用選考は、普通自動車免許(AT限定も可)のみで応募が可能です。さらに、バス運転手として必要な「大型自動車二種免許」を東京都交通局に勤めながら取得を目指せるほか、その取得費用は東京都交通局が全額負担いたします。(規定有)
採用までの流れも書かれています。
- 一次選考(適性検査SPI3。期間内の都合のよい日程・場所で受験)
- 二次選考に合格したら、会計年度任用職員として任用
- 任用後、指定の自動車教習所で大型二種免許を取得
- 免許取得後に三次選考
- 合格したら研修を受けて正式採用(A日程:令和9年3月1日/B日程:令和9年5月1日)
免許を取っている間も、職員として勤めながら取得するという形です。
「教習所に通う間の生活費をどうするか」という悩みに、制度として答えている仕組みといえます。
ただし、令和8年度の募集期間は令和8年5月15日〜6月3日で、2026年9月13日時点ではすでに終了しています。
次回の募集時期は、このお知らせのページには記載がありません。
また、取得費用の全額負担には「規定有」とあります。
一定期間内に退職した場合に費用の返還が必要になるかどうかなど、規定の中身はこのページには記載がありませんでした。
養成枠のある求人に応募するときは、都営バスに限らず、この「規定」の中身を必ず確認してください。
東京都のバス運転手育成委託訓練は原則無料・第2回募集は9月30日まで
東京都産業労働局の報道発表資料(2026年8月10日)。令和8年度新規事業として、原則無料で大型自動車第二種免許の取得から就職までを支援するバス運転手育成委託訓練の受講者を募集。近年バス運転手の不足は全国的な課題となっており、東京都ではバス運転手としての就職を希望する求職者に職業訓練による大型二種免許の取得を支援すると記載。対象はバス運転手としての就職を希望する都内在住の求職者
会社の養成枠とは別に、自治体の職業訓練で大型二種免許を取るルートもあります。
東京都は2026年8月10日に、令和8年度の新規事業として「バス運転手育成委託訓練」の受講者募集を発表しています。
内容は次のとおりです。
- 対象:バス運転手としての就職を希望する、都内在住の求職者(大型二種免許の取得要件を満たす人)
- 費用:原則無料(仮免許申請手数料2,900円は受講者負担)
- 定員:10名
- 訓練期間:3か月程度
- 訓練実施場所:東急自動車学校(東京都多摩市)
- 選考:応募後に面接
応募期間は、第1回が8月10日〜8月31日、第2回が9月1日〜9月30日です。
2026年9月13日時点では、第2回の募集期間中にあたります。
ただし、第1回で定員に達した場合は第2回を実施しない場合があると書かれているので、実際に受け付けているかは応募窓口(TOKYOはたらくネット)で確認してください。
主な要件には、「都内在住で求職中」「訓練終了後、速やかに学科試験を受験し、免許を取得する意思がある」「取得した免許を活用し、バス運転手として就職を希望する」などが並んでいます。
すでに働いている人(求職中でない人)は対象外と読める書き方なので、在職中に転職を考えている人は、先に会社の養成枠を探すほうが現実的です。
東京都以外にお住まいの人は、お住まいの都道府県やハローワークで、同様の職業訓練があるかを確認してみてください。
公的な訓練の有無は地域によって異なり、この記事の時点で全国の一覧は確認できていません。
バスドライバー求人の働き方は改善基準告示で上限が決まっている
「バスは朝早くて夜遅い」というイメージから、応募をためらう人もいると思います。
バス運転者の拘束時間や休息期間には、厚生労働大臣の告示(改善基準告示)で上限が決められています。
1日の拘束は13時間以内・休息は継続11時間が基本
厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイトのバス運転者の改善基準告示Q&A。1日の拘束時間は13時間を超えないものとし、延長する場合の最大拘束時間は15時間、14時間を超える回数は週3回までが目安。1日の休息期間は勤務終了後継続11時間以上を基本とし継続9時間を下回らない。運転時間は2日を平均し1日当たり9時間、4週を平均し1週当たり40時間を超えないと記載されている
厚生労働省のポータルサイトに掲載されているQ&Aから、1日単位のルールを抜き出します(2024年4月から適用)。
- 1日の拘束時間:13時間以内。延長する場合も最大15時間。14時間を超える回数は週3回までが目安
- 1日の休息期間:勤務終了後、継続11時間以上を基本とし、継続9時間を下回らない
- 運転時間:2日平均で1日9時間まで、4週平均で1週40時間まで
- 連続運転時間:4時間まで(高速バス・貸切バスの高速道路の実車区間は、おおむね2時間までとするよう努める)
「拘束時間」は、出勤してから退勤するまでの時間(労働時間+休憩時間)です。
「休息期間」は、仕事が終わってから次の始業までの、会社に拘束されない時間です。
つまり、どれだけ忙しい営業所でも、仕事が終わってから次の出勤まで最低9時間は空ける決まりになっています。
求人票に「早朝勤務あり」「深夜勤務あり」と書かれていても、その日の前後でこの休息期間が確保されているかどうかは、面接で具体的なシフト例を聞けば確認できます。
休息期間の考え方は、トラックやタクシーと共通する部分も多いので、夜勤明けとは|制度上の休息は9時間、明けは休日にならないもあわせて読んでおくと整理しやすくなります。
1年の拘束時間は原則3,300時間・2024年4月から短くなった
厚生労働省のポータルサイトに掲載されたバスの改善基準告示の主な改正内容(2024年4月適用開始)。2024年3月31日までは1年・52週間の拘束時間3,380時間以内(年換算)だったのが、2024年4月1日以降は原則3,300時間以内・例外3,400時間以内。1か月は原則281時間以内・例外294時間以内、4週平均1週間は原則65時間以内・例外68時間以内。1日の休息期間は継続8時間以上から、継続11時間を与えるよう努めることを基本とし9時間を下回らないに変更
年単位・月単位の上限も、2024年4月に厳しくなりました。
ポータルサイトの比較表を整理すると、次のとおりです。
| 2024年3月31日まで | 2024年4月1日以降 | |
|---|---|---|
| 1年・52週の拘束時間 | 3,380時間以内(年換算) | 原則3,300時間以内(例外3,400時間) |
| 1か月の拘束時間 | 4週平均1週65時間以内 | 原則281時間以内(例外294時間・年6か月まで) |
| 1日の休息期間 | 継続8時間以上 | 継続11時間を基本とし、9時間を下回らない |
※例外は、貸切バス乗務者、一時的な需要に応じて運行する乗合バス乗務者、高速バス乗務者などで、労使協定がある場合です。
あわせて、時間外労働の上限も2024年4月から原則月45時間・年360時間、臨時的な特別の事情がある場合でも年960時間になったと、同じページに書かれています。
休息期間の下限が「8時間」から「9時間」に延びたのは、夜勤や早朝勤務のある働き方にとって大きな変化です。
転職先を選ぶときは、「改善基準告示を守った勤務表になっているか」を聞くことが、そのまま体を壊さない会社選びになります。
路線バスのシフトは早朝・深夜・ラッシュを組み合わせ、1日の乗務は6〜7時間
厚生労働省job tagの路線バス運転士「労働条件の特徴」。民営のバス会社のほか私鉄のバス部門、地方自治体の交通局などに勤務、女性の割合は1.7%(2021年時点)、通常は月給制で諸手当の占める割合が高い、近年は運賃改定を原資とした給与水準の改善が進んでいる、勤務は早朝・深夜・朝夕ラッシュ時間帯のダイヤを組み合わせて編成、一日の労働時間は通常6〜7時間の乗務、公休日は必ずしも土日祝日になるとは限らないと記載されている
実際の働き方については、job tagの労働条件の特徴に具体的に書かれています。
勤務は早朝から運行するダイヤ、深夜まで運行するダイヤ、朝夕のラッシュ時間帯のみを運行するダイヤなどを組み合わせて編成されている。
一日の労働時間は、通常6~7時間の乗務となっている。
高速バスなどの長距離路線については、2日勤務して1日休み、4日勤務して1日休み、といったケースがあるとも書かれています。
また、交替制のシフトを組むため、公休日は土・日・祝日になるとは限らないとされています。
ここから、求人票を見るときに気にしておきたい点が見えてきます。
- 「朝夕のラッシュ時間帯のみ」のダイヤがある → 1日の中で乗務が分かれる勤務(いわゆる中休・中抜け)がありうる
- 公休が土日とは限らない → 家族の休みと合わせたい人は、シフトの決め方を確認
- 乗務は6〜7時間でも、点検や精算を含めた拘束時間は長くなる
中休・中抜けがあるかどうか、ある場合にその時間が拘束時間に含まれるのかは、求人票に書かれていないことが多い項目です。
面接で「1日のシフト例を2〜3パターン見せてほしい」と聞くのが、いちばん確実です。
同じページには、利用者の減少や運転士不足、燃料費の高騰を背景に、路線バスの減便・路線廃止の動きが地方部だけでなく都市部でもみられるとも書かれています。
一方で、運賃改定を原資とした給与水準の改善や、子育てと両立しやすいシフト、休憩室やトイレの整備など、人材確保の取り組みが進んでいるとされています。
バスドライバー求人の探し方と求人票で確認すること
最後に、実際に求人を探すときの方法と、応募前に確認しておきたい項目をまとめます。
ドライバー専門の求人サイトでバス乗務員の求人をまとめて見る
ドライバー専門求人サイト「ドラEVER」のバス乗務員のドライバー求人・運転手求人一覧。「バス乗務員」のドライバー求人・運転手求人を1223件掲載中と表示されている
バスドライバーの求人を探す方法は、大きく分けて次の3つです。
- バス会社・自治体交通局の採用ページに直接応募する(都営バスの養成枠など)
- ハローワーク・自治体の職業訓練を使う(東京都のバス運転手育成委託訓練など)
- ドライバー専門の求人サイトで、複数社の求人をまとめて見る
1と2は、応募先がはっきり決まっている人に向いています。
一方、「どの会社が養成枠を出しているのか」「自分の地域でどのくらいの給料が出ているのか」をまず知りたい段階では、3がいちばん早く比較できます。
ドライバー専門の求人サイト「ドラEVER」では、2026年9月13日時点で、職種「バス乗務員」の求人が1,223件掲載されていました。
なお、この一覧にはタクシーやトラックなど他の職種と併記された求人も含まれていたので、件数はあくまで目安です。
求人を横断して見るときは、次の条件で絞り込むと、この記事で確認した内容と照らし合わせやすくなります。
- 「免許取得支援あり」「養成」(大型二種を持っていない人)
- 勤務地(求人ボックスの地域別データで、その地域の相場と比べる)
- 路線バス/観光バス/送迎バス(必要な免許と働き方が違う)
応募前に、求人票や面接で確認しておきたい項目を、この記事の内容からチェックリストにまとめました。
- 必要な免許:大型二種が必要か。入社後の取得でよいか
- 免許取得費用の負担:全額か一部か。「規定」の中身(一定期間内の退職で返還が必要か)
- 免許取得中の雇用形態と給料:正社員か、契約・任用職員か。教習期間中の給料はいくらか
- 就業前訓練の期間:job tagでは1〜2カ月が目安
- 月給の内訳:基本給と手当の割合、モデル月収に含まれる残業時間
- シフト例:早朝・深夜・ラッシュのみのダイヤの組み合わせ方。中休・中抜けの有無
- 休日:公休は何日か。土日に休める頻度
- 休息期間:勤務と勤務の間が継続9時間以上確保されているか
とくに免許取得費用の「規定」は、トラブルになりやすいところです。
口頭の説明だけで済ませず、書面で条件を確認してください。
ほかのドライバー職と比べてから決めたい人は、ドライバー求人の探し方に、トラック・タクシー・配送などの職種ごとの求人の見方をまとめています。
二種免許を活かす別の選択肢としては、タクシードライバー求人も参考になります。
バスドライバー求人でよくある質問
バスドライバーは未経験でもなれますか
なれます。
job tagの路線バス運転士のページには、大型二種免許の取得を積極的に支援する企業が増えていて、採用時に免許がなくても、入社後に取得する条件で採用されると書かれています。
他業種や業界未経験者からの入職も増えているとされています。
たとえば、都営バスの養成枠は普通自動車免許(AT限定可)のみで応募でき、大型二種免許の取得費用は交通局が全額負担(規定有)と公式に書かれています。
大型二種免許は何歳から取れますか
原則は21歳以上、かつ普通免許などの免許期間が通算3年以上です。
警察庁によると、特別な教習(受験資格特例教習)を修了すれば、19歳以上、かつ普通免許等の期間が通算1年以上で受験できます。
ただし、年齢の特例で取った場合は21歳まで若年運転者期間となり、違反点数が3点以上になると講習の受講が義務付けられます。
バスドライバーの年収はどのくらいですか
厚生労働省job tagの統計では、路線バス・貸切バス運転手の年収は453.1万円(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)です。
求人ボックス給料ナビでは、バス運転手の正社員の平均年収は428万円(求人情報から算出した中央値・2026年9月2日更新)で、都道府県別では大阪府の523万円が最も高く、北海道の349万円が最も低いとされています。
トラックの大型免許を持っていればバスを運転できますか
お客さんを乗せて営業運転する路線バス・観光バスには、大型自動車第二種免許が必要です。
トラックの大型免許(第一種)だけでは運転できません。
ただし、施設や学校が自前で運行する送迎バス(自家用扱い)は、バスの大きさによって普通免許か大型免許で運転できると、job tagの送迎バス等運転手のページに書かれています。
バスドライバーの勤務時間はきついですか
路線バスは早朝・深夜・ラッシュ時のダイヤを組み合わせたシフトで、1日の乗務は通常6〜7時間とjob tagに書かれています。
2024年4月からは改善基準告示で、1日の拘束時間は13時間以内(最大15時間)、勤務と勤務の間の休息期間は継続11時間を基本に9時間を下回らないことが決められています。
きつさは会社ごとのシフトの組み方で変わるので、面接でシフト例を確認してください。
女性でもバスドライバーになれますか
なれます。
job tagには、業界団体の調査で女性の割合は1.7%(2021年時点)で、少しずつ増えていると書かれています。
女性が働きやすいよう、子育てと両立しやすいシフトの設定や、休憩室やトイレの整備に取り組む企業が増えているとも書かれています。
まとめ:バスドライバー求人は養成枠と改善基準告示で選ぶ
要点を整理します。
- バスドライバー求人は路線・観光・送迎の3種類。路線と観光は大型二種免許が必要で、施設・学校の送迎は普通免許で運転できる場合もある
- job tagの統計では、路線バス・貸切バス運転手の年収453.1万円・平均年齢56歳・有効求人倍率7.17倍(令和7年度)
- 求人ボックスでは正社員の平均年収428万円(中央値)。大阪府523万円、北海道349万円と地域差が大きい
- 免許を持っていなくても、入社後に取得する条件で採用する企業が増えている(job tag)
- 大型二種の受験資格は原則21歳以上・免許期間3年以上。特例教習で19歳以上・1年以上に下げられる
- 都営バスの養成枠は普通免許(AT限定可)のみで応募でき、取得費用は交通局が全額負担(規定有)。令和8年度の募集は終了
- 東京都のバス運転手育成委託訓練は原則無料・定員10名。第2回の応募期間は2026年9月30日まで(都内在住の求職者が対象)
- 改善基準告示で、1日の拘束は13時間以内(最大15時間)、休息は継続11時間が基本・9時間が下限
- 応募前は、免許取得費用の「規定」の中身、取得期間中の給料、シフト例を必ず確認する
数字や制度は変わることがあります。
応募の前に、必ず各公式サイトと応募先の最新の募集要項を確認してください。













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