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送迎ドライバーの求人を見ていると、「普通免許でOK」「未経験歓迎」「朝と夕方だけ」という言葉が並びます。
運転が好きで体を壊さずに働けそうだと思う一方で、二種免許がいらないのは本当なのか、朝と夕方だけというのは日中がどうなるのか、引っかかったまま応募をためらう人が多いところです。
結論から言うと、送迎ドライバー求人でいちばん重要なのは「乗車定員」と「中抜けの扱い」の2つです。
必要な免許は乗車定員で決まり、生活が変わるかどうかは中抜けの長さで決まります。
どちらも求人票からは読み取りにくいので、確認の仕方を知っているかどうかで差がつきます。
この記事では、まず送迎ドライバーに二種免許が要らない理由を、国土交通省のガイドラインで確認します。
次に、乗車定員による免許区分を警視庁の図で整理し、給与水準を求人統計で押さえます。
最後に、求人票にほとんど書かれない中抜け勤務の見分け方をまとめました。
読み終えるころには、「自分の免許でどこまで運転できるか」と「その求人は1日をどう使う仕事か」が判断できます。
送迎ドライバー求人は運ぶ相手で仕事の中身が変わる
送迎ドライバーと一口に言っても、運ぶ相手によって求められることがまったく違います。
求人票を読む前に、自分がどれを狙うのかを決めてください。
介護・福祉施設の送迎
求人数が多い
企業・学校・幼稚園の送迎
時間が読みやすい
ホテル・ゴルフ場などの送迎
シフト制が多い
求人の傾向を整理したものです。業務範囲・勤務時間・必要な免許は事業者ごとに異なります。応募前に必ず求人票と面接でご確認ください。
同じ「送迎ドライバー」でも、介護施設なら乗り降りの介助が業務に入り、マイクロバスを使う職場なら必要な免許が変わります。
求人票の「送迎ドライバー」という職種名だけでは、仕事の中身は分かりません。
現場メモ
送迎の求人でいちばん想定とズレやすいのが、運転以外の時間です。
介護送迎なら乗り降りの介助、園児の送迎なら添乗、ホテルなら荷物の上げ下ろしが入ります。
「運転だけの仕事」を探しているなら、業務範囲を求人票の文言ではなく面接で確かめてください。
送迎ドライバー求人に二種免許が要らないのはなぜか
「人を乗せるのに二種免許がいらないのはおかしいのでは」という疑問は、もっともです。
ここは国土交通省の資料で仕組みを確認できます。
二種免許が必要なのは「有償で人を運ぶ」場合
タクシーやバスの運転に二種免許が要るのは、それが旅客自動車運送事業だからです。
つまり、運送そのものに対してお金を受け取っている場合です。
一方、施設の送迎は運送そのものに対してお金を受け取っていません。
だから旅客自動車運送事業に当たらず、事業の許可も、二種免許も要らない、という整理になります。
国土交通省のガイドラインには、無償運送についてこう書かれています。
「無償運送については、道路運送法による規制がなく、自由に行えます。また、無償運送なので運送を行える範囲に制限はありません」
同資料には、無償運送に伴って謝礼の支払いや実費の請求・支払いが可能であることも記載されています。
実費として挙げられているのは、ガソリン代等の燃料費、有料道路使用料、駐車場代、移動サービス専用保険料、運送を行うために発生した車両借料の5つです。
施設の利用に付随する送迎は許可等が不要とされている
もう少し具体的に、施設の送迎について書かれた部分を見ます。
宿泊施設・介護施設の利用に付随する送迎について、許可等が必要ない場合と、その際に行える運送の範囲が図解されている
同資料には、「宿泊施設や介護施設の利用者を対象とする運送において、送迎に対する反対給付がない場合に許可等は必要ありません」と記載されています。
さらに、利用者からの依頼に応じて次の運送を行うことも可能とされています。
- 駅・空港等との送迎途中での、お土産屋を含む複数施設への立寄り
- 近隣施設・観光スポットへの送迎
- ホテル・旅館組合による共同送迎
- 施設と自宅との送迎途中での商店等への立寄り
デイサービスの送迎の帰りに商店へ寄る、といった運用が明記されている点は、実際に働くうえで知っておく価値があります。
送迎の有無で料金に差がある場合の扱い
「送迎ありのコースは料金が高い。それなら有償運送ではないのか」という疑問にも、同じ資料が答えています。
送迎サービスの有無で施設の利用料金や学費に差を設ける場合の扱い。差額が実費の範囲内であれば許可等は不要とされている
同資料には、「有料の施設利用に付随する運送サービス、宿泊施設における運送サービス、幼稚園等の送迎に係る運送サービスについて、運送サービスの利用の有無によって利用料や宿泊料に差を設ける場合であっても、当該差額が運送サービスに要する実費の範囲内であれば、許可等は必要ありません」と記載されています。
この場合の実費には、ガソリン代等に加えて車両償却費、車検料、保険料等の車両の維持費を含めることも差し支えないとされています。
ただし例外もあります。
同資料には、「幼稚園等において、利用者から運行に係る人件費相当を収受する場合は…許可を要することとなります」という注記が付いています。
つまり、実費を超えて人件費まで料金に乗せると、話が変わります。
応募先が「二種免許は不要」と言っている根拠がどこにあるのかを確認したい場合は、その送迎が有償かどうかを聞けば分かります。
送迎ドライバー求人で必要な免許は乗車定員で決まる
二種免許が要らないとしても、一種免許ならどれでもいいわけではありません。
送迎で決め手になるのは、車両総重量ではなく乗車定員です。
警視庁のページに、免許区分の図が掲載されています。
免許区分の図。自動車の種類ごとに車両総重量・最大積載量・乗車定員・受験資格が、平成29年3月12日の改正前後で対比されている
図に記載されている乗車定員は次のとおりです(改正後)。
- 普通自動車:乗車定員10人以下(車両総重量3.5トン未満・最大積載量2.0トン未満)
- 準中型自動車:乗車定員10人以下(車両総重量7.5トン未満・最大積載量4.5トン未満)
- 中型自動車:乗車定員29人以下(車両総重量11.0トン未満・最大積載量6.5トン未満)
- 大型自動車:乗車定員30人以上(車両総重量11.0トン以上・最大積載量6.5トン以上)
普通免許と準中型免許は、どちらも乗車定員10人以下までです。
つまり、定員11人以上のマイクロバスを運転するには中型免許以上が必要になります。
ワゴン車の送迎なら普通免許で足ります。
一方、幼稚園バスや企業の通勤バスでマイクロバスを使う職場は、中型免許が条件になります。
求人票に「要中型免許」と書かれていなくても、使う車の定員を面接で確認してください。
同ページには、限定免許についての注記もあります。
「改正前の普通免許又は中型免許を受けている方は、改正後も同じ範囲の自動車を運転することができます(例 改正前の普通免許は、車両総重量5トン未満及び最大積載量3トン未満の限定が付された準中型免許とみなされます。)」という記載です。
自分の免許にどんな限定が付いているかは、免許証の「条件等」の欄で確認できます。
古い免許ほど条件欄の記載が効いてくるので、応募前に一度見ておいてください。
なお、トラック側の免許区分と2026年4月から始まったAT限定免許については、トラックドライバー求人の選び方に整理しています。
送迎ドライバー求人の給与水準を統計で確認する
給与の相場も押さえておきます。
ただしここで、最初に断っておくことがあります。
求人ボックス給料ナビには職種別の給与ページがありますが、「送迎ドライバー」単独の給料ナビのページは、2026年9月4日時点で確認できませんでした。
そのため、送迎業務を主とする職種として掲載されている「介護ドライバー」のデータを使います。
求人ボックス給料ナビ「介護ドライバー」のページ。平均時給と平均年収に加え、算出方法の注記が掲載されている
同ページによると、介護ドライバーの平均時給はアルバイト・パートで約1,224円、派遣社員では1,402円程度、正社員の平均年収は約445万円で月給換算すると37万円程度とされています。
アルバイト・パートの給料分布は、ボリュームが多いのが1,186〜1,302円の水準で、全体の給与幅は1,070〜1,650円です。
地域別では最も高いのが大分県の1,498円、最も低いのが静岡県の1,097円で、差は401円とされています。
ここでも注記が重要です。
「記載の給料情報は2026年9月に求人ボックスが掲載求人情報から算出した給料情報です」「※平均年収(時給):集計対象求人における給与水準の中央値を示しています」と書かれています。
平均年収445万円という数字は中央値であり、また正社員のフルタイム求人を集計した値です。
送迎の求人はパート・アルバイトの比率が高いため、朝夕だけの勤務を想定している人がこの445万円を基準にすると、実際とは大きくずれます。
自分が正社員フルタイムを狙うのか、朝夕のパートを狙うのかで、見るべき数字は変わります。
同ページの職種説明には、「介護ドライバーは、高齢者や障がいのある方の送迎を担当する職業です。主な業務は、利用者の自宅や施設から病院、デイサービスなどへの安全な移動をサポートすることです。車椅子の乗降や通院時の介助、買い物の手伝いなども行います。普通自動車運転免許が必要で、介護初任者研修や介護福祉士の資格があるとさらに有利です」と記載されています。
介助が業務に含まれること、資格があると有利になることが、公式の職種説明の段階で書かれている点は押さえておいてください。
送迎ドライバー求人で最も確認すべきは中抜けの扱い
ここが、送迎ドライバー求人でいちばん見落とされる部分です。
そして、生活への影響がいちばん大きい部分でもあります。
中抜けとは何が起きることか
送迎の仕事は、朝と夕方に需要が集中します。
朝に利用者を迎えに行き、夕方に送り届ける。
その間の日中が空く、という勤務形態になりやすいのが送迎です。
このとき、会社によって扱いが分かれます。
- 中抜けを休憩とする:その時間は無給。実質的な拘束は朝から夕方まで
- 中抜けの間に別業務を割り当てる:施設内の手伝い、車両清掃、事務など。その時間は労働時間
- 朝と夕方を別のシフトとして扱う:それぞれに勤務時間が設定される
求人票の「実働6時間」という表記だけでは、この違いは分かりません。
朝7時から夕方18時まで会社に縛られて実働6時間なのか、朝7〜10時と16〜19時で自宅に戻れるのかは、生活がまるで違います。
面接で聞くべき3つ
中抜けの実態は、次の3つを聞けば分かります。
「1日のタイムスケジュールを、朝から終業まで教えてください」と聞いてください。
求人票の勤務時間ではなく、実際の1日の流れを説明してもらいます。
「中抜けの時間は休憩ですか、それとも別の業務が入りますか」も確認します。
休憩なら無給、業務なら労働時間です。給与の計算根拠が変わります。
「中抜けの間は施設を離れられますか」は、生活の質に直結します。
自宅に戻れるのか、車内や休憩室で過ごすのかで、拘束感がまったく違います。
労働時間のルールは会社に確認する必要がある
トラックやタクシー、バスの運転者には、厚生労働省の改善基準告示で拘束時間と休息期間の基準が定められています。
厚生労働省の「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」を確認したところ、同サイトはトラック運転者・バス運転者・ハイヤー/タクシー運転者の3区分で構成されており、施設の送迎ドライバー向けの独立したページは確認できませんでした。
自分の働き方にどのルールが適用されるかは、雇用形態や業務の中身によって変わります。
面接では、どの労働時間制(1か月単位の変形労働時間制など)が適用されるのかを確認してください。
就業規則を見せてもらえるかを聞くのも有効です。
拘束時間と休息期間の考え方そのものは、ドライバー求人の探し方で改善基準告示の内容まで整理しています。
自分の条件を判断する物差しとして持っておくと、面接での質問が具体的になります。
送迎ドライバー求人の探し方と、向いている人
最後に、探し方と向き不向きを整理します。
施設に直接応募するか、横断して見るか
介護施設や幼稚園の送迎は、施設が直接募集していることが多い職種です。
一方で、複数の施設や企業の送迎をまとめて受託している会社もあります。
直接雇用なら施設のルールがそのまま適用され、受託会社経由なら勤務先が変わる可能性があります。
どちらが自分に合うかは、勤務地を固定したいかどうかで決めてください。
まだ送迎に絞りきれていない、あるいは他のドライバー職と比べてから決めたいという段階なら、職種を横断して見られるサービスから始めるのが効率的です。
トラック、タクシー、バス、配送、軽貨物と並べて見ると、送迎の条件の特徴がはっきりします。
送迎ドライバーが向いている人・合わない人
向いているのは、生活リズムを固定したい人です。
長距離のトラックやタクシーの隔日勤務に比べて、勤務時間が読みやすいのが送迎の最大の利点です。
合わないのは、運転だけに集中したい人と、日中の中抜けを持て余す人です。
介助や接客が業務に入る職場は多く、中抜けの過ごし方が合わないと、拘束時間の割に消耗します。
「中抜けの時間に何をするか」を先に決めておくと、この働き方は続けやすくなります。
車内で過ごすなら、休める姿勢が取れるかどうかが効いてきます。
不規則な時間帯の勤務が入る場合の体の整え方は、夜勤明けの過ごし方にまとめました。
送迎ドライバー求人についてよくある質問
送迎ドライバーに二種免許は必要ですか
施設の利用に付随する送迎で、運送に対する反対給付がない場合は、国土交通省のガイドラインで許可等は必要ないとされています。
この場合は旅客自動車運送事業に当たらないため、二種免許なしで従事している求人が多くあります。
ただし、運送そのものに対して料金を受け取る形なら扱いが変わるため、応募先の送迎が有償かどうかを確認してください。
普通免許でマイクロバスを運転できますか
できません。
警視庁の図によると、普通自動車と準中型自動車はいずれも乗車定員10人以下、中型自動車は乗車定員29人以下です。
定員11人以上のマイクロバスを運転するには中型免許以上が必要です。
使用する車の定員は、応募前に確認してください。
送迎ドライバーの給料はどれくらいですか
送迎ドライバー単独の給料ナビのページは確認できなかったため、求人ボックス給料ナビの「介護ドライバー」の数値で示します。
2026年9月に掲載求人情報から算出された値として、アルバイト・パートの平均時給は約1,224円、派遣社員は1,402円程度、正社員の平均年収は約445万円とされています。
この平均年収は中央値であり、正社員フルタイムの求人を集計した数字です。
朝夕のみの勤務を想定している場合は、時給のほうを基準にしてください。
中抜けの時間は給料が出ますか
会社によります。
中抜けを休憩として扱う場合は無給になり、その時間に別の業務が割り当てられる場合は労働時間として賃金の対象になります。
求人票の実働時間だけでは判断できないため、面接で「中抜けは休憩か業務か」を直接確認してください。
未経験でも送迎ドライバーになれますか
普通免許で応募できる求人は多くあります。
ただし介護施設の送迎では、乗り降りの介助が業務に含まれることが一般的です。
求人ボックスの職種説明にも「介護初任者研修や介護福祉士の資格があるとさらに有利です」と記載されています。
運転以外にどこまで担当するのかを、応募前に確認してください。
送迎ドライバーは体への負担が少ないですか
長距離運転がない点では、負担は小さくなりやすい仕事です。
一方で、車椅子の積み下ろしや利用者の乗降介助が入る職場では、腰への負担が発生します。
また、朝が早く夕方が遅い勤務形態では、拘束される時間帯が1日の両端に広がります。
「運転時間が短い」ことと「拘束が短い」ことは別なので、1日のスケジュールで判断してください。
まとめ:送迎ドライバー求人は乗車定員と中抜けで決まる
送迎ドライバー求人は、「普通免許OK」「未経験歓迎」という言葉だけを見て応募すると、入ってから想定と違うことが起きやすい職種です。
ズレの原因は、たいてい2つに絞られます。
ひとつは免許です。
必要な免許は乗車定員で決まり、普通免許と準中型免許はどちらも10人以下まで。
定員11人以上のマイクロバスなら中型免許が要ります。
もうひとつは中抜けです。
朝と夕方に業務が集中する仕事なので、日中の時間をどう扱うかで生活が変わります。
休憩なのか業務なのか、施設を離れられるのかを、必ず面接で確認してください。
二種免許が要らない理由は、国土交通省のガイドラインで説明されているとおり、施設の送迎が反対給付のない運送だからです。
仕組みを理解しておけば、求人票の「二種免許不要」という表記も自分で検証できます。
まずは、自分の免許の条件欄を確認するところから始めてください。
そのうえで、他のドライバー職と条件を並べて比べると、送迎という働き方の位置づけがはっきりします。
職種ごとの年収や労働時間の違いは、ドライバー求人の探し方に整理しています。





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