※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。
夜勤を何年も続けていると、ふと「このままだと体を壊すんじゃないか」「寿命が縮むって本当なのか」と不安になることがあります。
ネットで調べると「夜勤は寿命を縮める」「何年も短くなる」といった強い言葉が並んでいて、余計に落ち着かなくなります。
結論から言うと、「夜勤で寿命が何年縮む」と示した公的なデータはありません。
一方で、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、交替制勤務では心血管系疾患の発症リスクが1.15倍になるなどの報告があり、睡眠時間が6時間未満になると死亡リスクが有意に上がるという報告も紹介されています。
つまり、夜勤そのものよりも「夜勤で睡眠がどれだけ削られているか」が、寿命を考えるうえでの分かれ目になります。
この記事では、次の公的な資料だけを使って整理します。
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 国際がん研究機関(IARC)の夜勤に関する評価
- 厚生労働省の脳・心臓疾患の労災認定基準と、令和7年度の労災補償状況
- 労働安全衛生法・労働安全衛生規則(深夜業の健康診断)
いずれも2026年9月14日に公式のページとPDFを開いて確認した内容です。
資料に書かれていないことは「記載なし」と書いています。
読み終えるころには、ネットの強い言葉に振り回されずに、自分の睡眠時間と健診の受け方から「いま何をすればいいか」を決められるようになります。
夜勤で寿命が縮むかは「何年」とは言えないが、健康リスクの報告はある
最初に、公的な資料で分かっていることと、分かっていないことを分けておきます。
分かっていること
公的資料に記載あり
分かっていないこと
公的資料に記載なし
出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」、IARC Monographs Volume 124、厚生労働省 脳・心臓疾患の労災認定基準(いずれも2026年9月14日確認)。
「どうせ不安をあおって何か売りたいだけでしょう」と感じた人もいると思います。
この記事では数字をすべて資料どおりに書き、書かれていない数字は作りません。
交替制勤務は心血管系疾患の発症リスク1.15倍などの報告がある
健康づくりのための睡眠ガイド2023「就業形態(交替制勤務)と睡眠の課題について」。交替制勤務では睡眠の不調などの健康リスクに注意が必要とし、交替制勤務に従事していない人と比較して従事者ではメタボリックシンドロームの発症リスクが1.06倍、心血管系疾患の発症リスクが1.15倍増加することや、乳がんや前立腺がんなどの悪性腫瘍、うつ病、認知症の発症リスクが高くなるという報告があると記載されている
厚生労働省の睡眠ガイドには、交替制勤務の健康リスクについて次のように書かれています。
交替制勤務に従事していない人と比較して、従事者ではメタボリックシンドロームの発症リスクが1.06倍、心血管系疾患の発症リスクが1.15倍増加することが報告されています。
さらに、乳がんや前立腺がんなどの悪性腫瘍、うつ病、認知症の発症リスクが高くなるという報告もあると続きます。
交替制勤務は、不眠や眠気、睡眠休養感(眠って休めた感じ)の低下のほか、勤務中や通勤中の事故や怪我との関連も報告されているとされています。
原因については、次のように説明されています。
交替制勤務に伴う様々な心身の不調には、体内時計が司る睡眠・覚醒リズムと実際の睡眠時間帯のずれ、睡眠不足、徹夜ストレス、その他の心理社会的要因が関与していると考えられています。
ここで押さえておきたいのは、数字の大きさです。
1.15倍は「交替制勤務をしていない人を1としたときに1.15」という意味で、「夜勤をしたら誰でも病気になる」という話ではありません。
ただ、何年も続ける働き方である以上、小さくない差として受け止めておく価値はあります。
もう1つ、見落としやすい点があります。
睡眠ガイドでいう交替制勤務は、勤務時間帯が日ごと・一定期間ごとに変わる働き方のことで、「夜から朝までの1パターンのみ」の勤務は含まれないと定義されています。
夜勤専従の人については、この数字がそのまま当てはまるわけではなく、夜勤専従に限った数値は睡眠ガイドには記載がありません。
WHOのがん研究機関は夜勤を「おそらく発がん性がある(2A)」に分類
国際がん研究機関(IARC)の「IARC Monographs Volume 124: Night Shift Work」のページ。IARCモノグラフの作業部会が夜勤をprobably carcinogenic to humans(グループ2A)に分類し、その根拠がヒトでの限定的な証拠(乳がん、前立腺がん、結腸がん、直腸がん)、実験動物での十分な証拠、実験動物での強いメカニズムの証拠であることが記載されている 出典: IARC(国際がん研究機関) IARC Monographs Volume 124: Night Shift Work
「夜勤はがんになる」という話の出どころは、WHO(世界保健機関)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)の評価です。
IARCのページには、夜勤を「probably carcinogenic to humans(おそらく人に対して発がん性がある)」=グループ2Aに分類したと書かれています。
根拠として挙げられているのは、次の3つです。
- ヒトでは限定的な証拠(乳がん、前立腺がん、結腸がん、直腸がん)
- 実験動物では十分な証拠
- 実験動物での強いメカニズムの証拠
ただし、この分類の意味には注意が必要です。
IARCが公開している質問と回答(Q&A)では、分類は「その要因ががんを起こすという証拠の強さ」を示すもので、ばく露によるリスクの大きさを示すものではないと説明されています。
同じ分類の中でも、実際のがんのリスクは大きく異なりうるとも書かれています。
また、Q&Aには、作業部会は夜勤のさまざまな程度に対するがんのリスクの大きさを推定しようとはしなかったと書かれています。
「2Aだから夜勤でがんのリスクが何倍になる」とは、IARCの資料からは言えないということです。
不安な場合は、健康診断やがん検診を受けて早めに見つけることが、いま取れる現実的な行動になります。
夜勤の寿命への影響は「睡眠時間6時間未満」が分かれ目
夜勤と寿命の関係を直接示す数字はありません。
しかし、睡眠時間と死亡リスクについては、睡眠ガイドにはっきりした記載があります。
夜勤で睡眠が削られやすい以上、ここがいちばん現実的な目安になります。
睡眠時間が6時間未満になると死亡リスクが有意に上昇する
健康づくりのための睡眠ガイド2023の成人版。推奨事項として6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保すること、日本の男性労働者2,282人の14年間の追跡で睡眠時間6時間未満の人は心血管疾患の発症リスクが4.95倍、92万人分のデータの解析で睡眠時間が6時間未満になると死亡リスクが有意に上昇、40歳から64歳までの成人では睡眠時間が短くなるにつれて総死亡率が増加すると記載されている
睡眠ガイドの成人版では、推奨事項の最初に「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」と書かれています。
その根拠として、次のような研究が紹介されています。
さらに、睡眠時間が短いと、死亡リスクが高まるという報告もあり、これまで世界中で行われた研究を系統的に収集し、92万人分のデータを解析したところ、睡眠時間が6時間未満になると、死亡リスクが有意に上昇する結果が報告されています。
働く世代に関係する数字も並んでいます。
- 日本の男性労働者約4万人を7年間追跡:睡眠5時間未満の人は、肥満になるリスク1.13倍、メタボリックシンドロームの発症リスク1.08倍
- 日本の男性労働者2,282人を14年間追跡:睡眠6時間未満の人は、心筋梗塞・狭心症などの心血管疾患の発症リスク4.95倍(7時間以上8時間未満の人と比べて)
- 7時間前後の睡眠の人が、生活習慣病やうつ病の発症、死亡に至るリスクが最も低い
- 脳波で厳密に睡眠を測った研究では、40〜64歳は睡眠時間が短くなるほど総死亡率が増加
さらに次のページには、40〜64歳の働く人を対象にした図があります。
睡眠が5.5時間未満で「眠って休めた感じ(睡眠休養感)」がない人の死亡リスクは1.54倍、休養感がある人でも1.34倍と示されています(5.5〜6.9時間で休養感ありの人を基準にした場合)。
夜勤そのものより、「夜勤明けに何時間眠れているか」「その眠りで休めた感じがあるか」のほうが、寿命に関わる数字として資料に出てくるということです。
まずは1週間、夜勤明けの睡眠時間をスマホのメモに記録してみてください。
6時間を下回る日が続いているなら、そこが最初の対策ポイントです。
休日の寝だめで取り返せるのは「平日6時間以上寝ている人」だけ
健康づくりのための睡眠ガイド2023の「休日の寝だめの問題点」。実際には眠りをためることはできないこと、社会的時差ボケは生活習慣病や心血管系疾患、うつ病の発症リスクとなること、40〜64歳の成人では平日6時間以上寝ている人に限り休日の1時間程度の寝だめは寿命短縮リスクを低下させるが、平日6時間未満の人は休日の寝だめをしても寿命短縮リスクが有意に高まり、平日6時間以上でも休日に2時間以上の寝だめ習慣がある人は寿命短縮リスクが軽減されないと記載されている
夜勤明けや休みの日にまとめて寝て、帳尻を合わせている人は多いと思います。
睡眠ガイドは、この「寝だめ」について「実際には眠りを『ためる』ことはできません」と書いています。
そのうえで、寿命との関係について次の研究が紹介されています。
40~64歳の成人を対象とした近年の調査では、平日6時間以上寝ている人に限り、休日の1時間程度の寝だめは寿命短縮リスクを低下させることが示されていますが、平日6時間未満の睡眠時間の人は、休日の寝だめをしても寿命短縮リスクが有意に高まります。
さらに、平日6時間以上寝ていても、休日に2時間以上の寝だめ習慣がある人は、寿命短縮リスクが軽減されないとも書かれています。
夜勤のある人に置き換えると、次のようになります。
- ふだんの勤務日(夜勤明けを含む)に6時間以上眠れているかが先
- 休みの日の寝だめは1時間程度までなら意味がある可能性がある
- 休みの日にいつもより2時間以上長く寝ないと持たないなら、勤務日の睡眠が足りていないサイン
睡眠ガイドも、休日に長い睡眠が必要な場合は「平日の睡眠時間が不足しているサイン」だと書いています。
現場メモ
隔日勤務や連続夜勤のあとの休みは、「とにかく寝る日」になりがちです。
休みの日に昼過ぎまで寝てしまうなら、寝だめの長さそのものより、夜勤明けの睡眠が何時間取れていたかを先に見直すほうが、資料の記載に沿った順番になります。
夜勤で寿命を縮めないためにできる対策
ここからは、公的な資料に書かれている「できること」を、体の対策と、制度の使い方に分けて整理します。
夜勤中は0〜4時に20〜50分の仮眠をとる
健康づくりのための睡眠ガイド2023「交替制勤務者における注意点」。交替制勤務では仮眠やカフェイン摂取等を上手く利用することで業務中の眠気が改善し仕事の効率が向上する場合があること、夜勤中の0〜4時に開始する20〜50分間の仮眠は眠気や仕事効率、疲労を改善させると報告され、60分間と長めでは仕事の効率が低下したこと、夜勤前の仮眠や夜勤後の仮眠の効果、夜勤中に適切に仮眠がとれるよう休養時間の確保や休養できる場所の整備を検討することが望まれると記載されている
睡眠ガイドの交替制勤務の項目で、最初に挙げられている工夫が仮眠です。
0~4時に開始する20~50分間の仮眠は、眠気や仕事効率、疲労を改善させることが報告されています。
一方で、60分と長めにした研究では、かえって仕事の効率が低下したと書かれています。
また、夜勤前の仮眠が夜勤中の眠気に有効という報告や、夜勤後の仮眠が睡眠不足を補う可能性も示されています。
同じ資料のQ&Aでは、交替制勤務の人ができる工夫として、勤務と勤務の間の十分な休息、夜勤中の仮眠、眠気に対するカフェイン摂取、強い照明を避けることが挙げられています。
具体的なやり方は、別の記事でまとめています。
- 夜勤前の仮眠・カフェインの量と時刻:夜勤前の過ごし方|仮眠・カフェイン・食事を公的な指針で決める
- 夜勤明けの光の遮り方・仮眠・食事の順番:夜勤明けの過ごし方|ドライバー・現場職の回復ルーティン
深夜業のある人は健康診断が年2回(6か月以内ごとに1回)
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署のリーフレット「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」。特定業務従事者の健康診断(安衛則第45条)は対象業務に常時従事する労働者に配置替えの際と6月以内ごとに1回実施するとされ、対象業務の一覧に「ヌ 深夜業を含む業務」が挙げられている
意外と知られていないのが、深夜業をする人の健康診断は、法律で年2回になっていることです。
厚生労働省のリーフレットでは、会社に実施が義務づけられている健康診断のうち、「特定業務従事者の健康診断」は、対象の業務への配置替えの際と、6月以内ごとに1回とされています。
その対象業務の一覧に、「深夜業を含む業務」が入っています。
現行の労働安全衛生規則第45条でも、6月以内ごとに1回、定期に健康診断を行わなければならないとされています(胸部エックス線検査は1年以内ごとに1回で足りるとされています)。
なお、このリーフレットは2013年3月版で、対象業務を定めた規則の号番号は、現行のe-Gov法令検索では変わっています。
夜勤があるのに健康診断が年1回しかない場合は、会社の担当者に確認してみる価値があります。
結果が「要再検査」「要精密検査」なら、放置せずに受診してください。
心血管系の病気は、血圧・血糖・脂質の数値から早めに気づけることがあります。
月4回以上の深夜業なら、自分で受けた健診の結果を会社に出せる
e-Gov法令検索の労働安全衛生規則第50条の2から第50条の4(自発的健康診断)。法第66条の2の要件は常時使用され、自ら受けた健康診断を受けた日前6月間を平均して1月当たり4回以上深夜業に従事したこととし、要件に該当する労働者は自ら受けた医師による健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出できるが、健康診断を受けた日から3月を経過したときはこの限りでないと定めている
年2回の健診を待たずに、体調が気になったときに使える制度もあります。
労働安全衛生法第66条の2の「自発的健康診断」です。
労働安全衛生規則では、対象になる人と条件が次のように決まっています。
- 常時使用されていて、健康診断を受けた日の前6か月間を平均して、1か月あたり4回以上深夜業(午後10時〜午前5時の業務)に従事した人
- 自分で受けた医師による健康診断の結果を証明する書面を、会社に提出できる
- ただし、健康診断を受けた日から3か月を過ぎると提出できない
提出された結果は、労働安全衛生法第66条の4で、会社が医師などから意見を聞く対象に含まれています。
異常の所見がある場合、会社は医師の意見を聞いたうえで、必要なら勤務の見直しなどの措置を考えることになります。
「最近、夜勤明けの動悸が気になる」「血圧が高くなってきた」というときに、会社の健診を待たずに受診し、その結果を出して相談できる、ということです。
なお、自分で受けた健康診断の費用を誰が負担するかについては、条文には記載がありません。
夜勤の寿命リスクは「働き方」でも変わる
ここまで個人でできる対策を書いてきました。
ただ、正直に言うと、仮眠や睡眠の工夫で吸収できる範囲には限りがあります。
国の労災の基準や統計を見ると、夜勤の負担は「どれだけ長く、どれだけ不規則に働くか」と組み合わさって重くなることが分かります。
深夜勤務は脳・心臓疾患の労災認定で「負荷要因」として評価される
厚生労働省「脳・心臓疾患の労災認定基準 改正に関する4つのポイント」(令和3年9月)。発症前1か月間に100時間または2〜6か月間平均で月80時間を超える時間外労働の水準には至らないがこれに近い時間外労働に一定の労働時間以外の負荷要因が加わると業務と発症との関連が強いと評価すること、労働時間以外の負荷要因の勤務時間の不規則性として拘束時間の長い勤務、休日のない連続勤務、勤務間インターバルが短い勤務、不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務が挙げられている
厚生労働省は2021年9月に、脳・心臓疾患(いわゆる過労死につながる病気)の労災認定基準を改正しました。
リーフレットでは、「労働時間以外の負荷要因」の「勤務時間の不規則性」として、次の4つが挙げられています。
- 拘束時間の長い勤務
- 休日のない連続勤務
- 勤務間インターバルが短い勤務(終業から次の始業までが短い勤務)
- 不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務
そのうえで、発症前1か月間に100時間、または2〜6か月間の平均で月80時間を超える時間外労働の水準には至らなくても、これに近い時間外労働があり、一定の労働時間以外の負荷要因が加わると、業務と発症との関連が強いと評価することが明確にされています。
国の基準の上でも、深夜勤務は脳や心臓への負担になる要因として扱われているということです。
特に「長時間労働」「休みが少ない」「勤務と勤務の間が短い」と重なっている場合は、個人の工夫ではなく働き方そのものの問題として考える必要があります。
トラック運転者の休息期間(勤務と勤務の間に何時間空ける決まりか)は、夜勤明けとは|制度上の休息は9時間、明けは休日にならないで整理しています。
脳・心臓疾患の労災は道路貨物運送業と自動車運転従事者が最多
厚生労働省「令和7年度『過労死等の労災補償状況』を公表します」の業務災害に係る脳・心臓疾患の労災補償状況。請求件数1,254件(うち死亡303件)、支給決定件数217件(うち死亡67件)、業種別(中分類)では請求件数・支給決定件数ともに運輸業、郵便業のうち道路貨物運送業が179件・50件で最多、職種別(中分類)では輸送・機械運転従事者のうち自動車運転従事者が215件・53件で最多と記載されている
2026年7月15日に厚生労働省が公表した令和7年度の「過労死等の労災補償状況」では、脳・心臓疾患について次の数字が示されています。
- 請求件数:1,254件(うち死亡303件)
- 支給決定件数:217件(うち死亡67件)
- 業種別(中分類):「道路貨物運送業」が請求179件・支給決定50件で最多
- 職種別(中分類):「自動車運転従事者」が請求215件・支給決定53件で最多
- 年齢別の請求件数:50〜59歳が508件で最多
この統計は、夜勤かどうかで分けた数字ではありません。
それでも、夜間運行や長い拘束時間を抱えやすいトラック・運転の仕事で、脳・心臓疾患の労災が最も多いという事実は、自分の働き方を考えるうえで知っておきたい数字です。
いまの勤務が「夜勤+長時間+休みが少ない」の組み合わせになっているなら、同じ運転の仕事でも、日勤中心の配送、拘束時間の短いルート、休息が取りやすい会社に変えることで、負担の構造そのものを変えられる可能性があります。
職種ごとの働き方と求人票で拘束時間を確かめる方法は、ドライバー求人の探し方|職種別の年収と求人票の見方にまとめました。
トラックから転職を考える場合に、辞める前に確認しておきたい拘束時間と失業給付の話は、トラックドライバーの転職|辞める前に確認する拘束時間と失業給付で扱っています。
現場メモ
「体がきついのは年齢のせい」と片づけてしまう人は少なくありません。
ただ、夜勤の回数、1回の拘束時間、勤務と勤務の間の時間を1か月分書き出してみると、年齢より勤務表のほうに原因が見えることがあります。
その記録は、会社に相談するときにも、転職先の求人を比べるときにも、そのまま使えます。
夜勤の対価として深夜割増がきちんと払われているかは、夜勤手当とは|深夜割増25%の計算方法と未払いの確認ポイントで確認できます。
体への負担に見合った給料かどうかも、あわせて見直してみてください。
夜勤と寿命についてよくある質問
夜勤を続けると寿命は何年縮みますか
夜勤で寿命が何年縮むかを示した公的なデータは、厚生労働省の睡眠ガイドにもIARCの資料にも記載がありません。
ネット上の「◯年縮む」という数字は、出典を確認できないものに注意してください。
資料で示されているのは、交替制勤務で心血管系疾患の発症リスクが1.15倍になるなどの報告と、睡眠時間が6時間未満になると死亡リスクが有意に上昇するという報告です。
夜勤はがんになりやすいのですか
国際がん研究機関(IARC)は、夜勤を「おそらく人に対して発がん性がある(グループ2A)」に分類しています。
ヒトでの証拠は乳がん・前立腺がん・結腸がん・直腸がんについて「限定的」とされています。
ただし、IARCはこの分類が証拠の強さを示すもので、リスクの大きさを示すものではないと説明しており、夜勤でがんのリスクが何倍になるかは推定していません。
夜勤専従なら体内時計が慣れるので問題ないですか
睡眠ガイドでは、「夜から朝までの1パターンのみ」の勤務は交替制勤務に含まれないと定義されており、夜勤専従に限った健康リスクの数値は記載がありません。
一方で、1日に修正できる体内時計の時間は数分から数時間程度と書かれています。
「完全に慣れるから問題ない」とは、資料からは言えません。
睡眠時間が6時間を下回っていないかを、まず確認してください。
夜勤の人の健康診断は年何回ですか
深夜業を含む業務に常時従事する人は、配置替えの際と6か月以内ごとに1回、健康診断を受けることになっています(労働安全衛生規則第45条)。
また、6か月平均で月4回以上深夜業をしている人は、自分で受けた健康診断の結果を、受診から3か月以内に会社に提出できます(自発的健康診断)。
夜勤で体調が悪いときはどうすればいいですか
睡眠ガイドでは、不眠や睡眠休養感の低下、業務中の眠気が続き、日常生活に支障を来している場合は、速やかに医療機関を受診することがポイントとして挙げられています。
運転の仕事では、睡眠不足で安全に運転できないおそれがあるときは事業者に申し出る決まりもあります。
自分の工夫だけで抱え込まず、医師や職場に相談してください。
まとめ:夜勤の寿命リスクは睡眠時間と働き方で見直せる
要点を整理します。
- 夜勤で寿命が「何年」縮むという公的なデータはない
- 交替制勤務では、メタボ1.06倍・心血管系疾患1.15倍などの報告がある(厚生労働省 睡眠ガイド2023)。夜勤専従に限った数値は記載なし
- IARCは夜勤をグループ2Aに分類。ただし証拠の強さの分類で、リスクの大きさは示していない
- 睡眠6時間未満で死亡リスクが有意に上昇という報告がある。7時間前後がリスク最小
- 休日の寝だめで寿命短縮リスクが下がるのは平日6時間以上寝ている人の1時間程度の寝だめに限られる
- 夜勤中の仮眠は0〜4時に始める20〜50分
- 深夜業のある人の健康診断は6か月以内ごとに1回。月4回以上なら自発的健康診断の結果を出せる
- 深夜勤務は脳・心臓疾患の労災認定で負荷要因。労災は道路貨物運送業・自動車運転従事者が最多
まずは夜勤明けの睡眠時間を1週間記録し、6時間を下回っていないかを確認してください。
夜勤明けにやることは夜勤明けの過ごし方|ドライバー・現場職の回復ルーティンで順番にまとめています。
そのうえで、長時間・連続勤務・短い休息が重なった働き方が続いているなら、それは個人の努力では変えにくい部分です。
ドライバー求人の探し方|職種別の年収と求人票の見方で、拘束時間から働き方を比べる方法を確認してみてください。
体調の不安が続く場合は、自己判断で済ませず、医療機関に相談してください。










コメント