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盤の中を覗き込んで結線を追いながら、頭のなかでは明日の停電作業の段取りを組んでいる。
建築の職長からは「電気さん、ここいつ入れる?」と急かされ、施主からは受電日を動かせないかと聞かれる。
電気工事施工管理は、工程の最後尾に置かれながら、工程の成否を握っている立場です。
結論から言うと、電気工事施工管理技士の転職は「資格を持っているかどうか」で入れる求人がはっきり分かれます。
理由は電気工事業が建設業法の指定建設業に指定されているからです。
指定建設業では、実務経験だけを根拠に監理技術者になることができません。
そして令和8年度の1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定は、受検者27,387名に対して合格者9,947名でした。
編集部が計算すると合格率は36.3%です。
3人に1人強しか通っていません。
この記事では、まず「なぜ電気は資格ありきになるのか」を国土交通省の資料で確認します。
次に、1級・2級それぞれの最新の実施結果を、指定試験機関の発表資料で並べます。
そのうえで、第一種電気工事士を持っている人の近道、令和8年度の日程と受検手数料、平均年収、最後に転職サービスの選び分けをまとめました。
読み終えるころには、「資格を取ってから動くか、取る前に動くか」と「自分はどのルートで第二次検定に行けるか」を判断できるようになります。
施工管理全体の年収・労働時間・資格の全体像は施工管理の転職の基本にまとめています。
この記事は、そのうち電気に絞って掘り下げたものです。
電気工事施工管理技士の転職が「資格ありき」になるのは電気が指定建設業だから
電気工事施工管理の求人票を並べると、他の職種と比べて資格要件の書き方が硬いことに気づきます。
「1級電気工事施工管理技士 必須」と最初に置かれている求人が多いのです。
これは採用側の好みではありません。
建設業法の仕組みとして、そう書かざるを得ないからです。
監理技術者は実務経験だけではなれない(電気は7業種の指定建設業)
国土交通省「技術者制度の概要」の建設業法における各技術者の要件。監理技術者の欄に「実務経験者(指定建設業※は除く)」とあり、注記に指定建設業=土木一式、建築一式、舗装、鋼構造物、管、電気、造園の7業種と明記されている
国土交通省の資料には、監理技術者の要件が3つ挙げられています(2026年9月10日確認)。
- 一級国家資格者(1級施工管理技士・1級建築士・技術士)
- 実務経験者(指定建設業※は除く)
- 国土交通大臣特別認定者
そして注記に、こう書かれています。
※指定建設業:土木一式、建築一式、舗装、鋼構造物、管、電気、造園の7業種
電気は、この7業種に入っています。
つまり電気工事業では、真ん中の「実務経験者」ルートが最初から閉じています。
現場を20年やっていても、それだけでは監理技術者になれません。
1級電気工事施工管理技士などの一級国家資格を持っているか、大臣特別認定を受けているか、そのどちらかです。
監理技術者を置かなければならないのは、下請代金の総額が4,500万円以上の元請工事です(建築一式工事は7,000万円以上)。
規模の大きい元請仕事を持っている会社ほど、1級の有資格者を抱えていないと現場を回せません。
ここが、電気の求人が「1級必須」に寄る理由です。
会社にとって1級電気工事施工管理技士は、人手ではなく、受注できる工事の上限そのものだからです。
2級でも主任技術者にはなれる|1級と2級で開く差
同じ資料の右側の列、主任技術者の要件も見ておきます。
こちらは3つのルートが開いています。
- 一級国家資格者(1級施工管理技士・1級建築士・技術士)
- 二級国家資格者(2級施工管理技士 等)
- 実務経験者(大学の指定学科卒業後3年以上/高校の指定学科卒業後5年以上/10年以上の実務経験)
主任技術者は、下請工事、または監理技術者を置く規模に届かない元請工事に置く技術者です。
2級電気工事施工管理技士は、ここに正面から効きます。
整理すると、電気ではこういう構図になります。
- 2級:主任技術者になれる。下請の現場、中小規模の元請工事を任される
- 1級:監理技術者になれる。4,500万円以上の下請契約を伴う元請工事に立てる
- 無資格・実務経験のみ:主任技術者にはなれる(10年以上等)が、監理技術者にはなれない
求人票の「1級必須」「2級以上」「資格不問」は、この3段をそのまま写しています。
逆に言えば、応募の前に自分がどの段にいるかを確定させれば、通らない求人に時間を使わずに済みます。
なお、国土交通省の「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」(2025年12月18日施行)では、1級電気工事施工管理技士は電気工事業と電気通信工事業の両方で特定建設業の営業所専任技術者(=監理技術者)となり得る資格として掲載されています。
電気通信の側にも一枚かかっている、という点は転職先の幅として押さえておく価値があります。
この記事を書くために、監理技術者の要件表を土木・建築・管・電気で見比べました。
気づいたのは、「実務経験者(指定建設業は除く)」というカッコ書きが、電気の人にとっては一行で人生の分岐になっているということです。
内装や熱絶縁のように指定建設業でない業種なら、実務経験を積み上げれば監理技術者の道が残ります。
電気にはそれがありません。
「うちの会社、1級持ちが定年で抜けると大型案件が受けられなくなる」という話を現場で聞くのは、制度がそうなっているからだと腑に落ちました。
電気工事施工管理技士の1級第一次検定は合格率36.3%(編集部計算)
では、その1級はどれくらい通るのか。
指定試験機関である一般財団法人建設業振興基金が発表している実施結果を見ます。
なお、振興基金は合格率そのものを発表していません。
発表されているのは受検者数と合格者数です。
以下の合格率は、編集部がその2つの数字から計算したものです。
令和8年度は受検27,387名・合格9,947名
1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定の実施結果。試験年月日 令和8年7月12日、受検者数27,387名、合格者数9,947名、合格通知日 令和8年8月25日、合格基準は60.0点(100点換算)かつ施工管理法(応用能力)6問中3問以上
令和8年度の1級第一次検定は、2026年7月12日に札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄の10地区で実施されました。
- 受検者数:27,387名
- 合格者数:9,947名
- 合格率:36.3%(編集部が受検者数と合格者数から計算)
- 合格通知日:令和8年8月25日
合格基準も公表されています。
60.0点(100点換算)、かつ施工管理法(応用能力)6問中3問以上です。
この「応用能力6問中3問以上」が地味に効きます。
総得点が60点を超えていても、応用能力の設問で3問取れていなければ届きません。
分野を捨てて総得点で押し切る作戦が通りにくい設計になっています。
合格者の55.3%が建設業(電気)|第二次では79.6%に上がる
令和8年度1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定 合格者の勤務先別構成比の円グラフ。建設業(電気)55.3%、その他29.7%、官公庁1.2%、電力会社1.1%、鉄道会社0.8%、設計事務所0.7% 出典: 一般財団法人建設業振興基金 令和8年度1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定 実施結果(参考・合格者の主な属性)
同じ資料の2ページ目に、合格者の属性が載っています。
第一次検定の合格者9,947名の勤務先別は次のとおりです。
- 建設業(電気):55.3%
- その他:29.7%
- 官公庁:1.2%
- 電力会社:1.1%
- 鉄道会社:0.8%
- 設計事務所:0.7%
ここで、令和7年度の第二次検定の合格者の勤務先別と並べてみます。
- 建設業(電気):79.6%
- 建設業(その他):9.7%
- その他:6.5%
第一次では55.3%だった「建設業(電気)」が、第二次では79.6%まで上がります。
逆に「その他」は29.7%から6.5%に落ちます。
これは何を意味しているか。
第一次検定は令和8年度に満19歳以上であれば実務経験なしで受けられるため、電気工事業以外の人や学生も含めて広く受検します。
一方、第二次検定は実務経験の要件があり、電気の現場で経験を積んだ人しか申請できません。
つまり第一次の合格者数を「1級電気工事施工管理技士が増えた数」と読むと、実態を見誤ります。
第一次に通った9,947名のうち、そのまま第二次の受検資格を持っている人は一部です。
もうひとつ、令和7年度の第二次検定の資料には注記があります。
・1級電気工事施工管理技術検定合格者のうち、2級電気工事施工管理技術検定合格者は3.7%
1級に受かった人のうち、2級を持っている人は3.7%しかいません。
電気では「2級を取ってから1級へ」という積み上げルートは、実際にはほとんど使われていないということです。
第二次検定は合格率69.6%|通りにくいのは第一次のほう
令和7年度の1級第二次検定は、2025年10月19日に実施されました。
- 受検者数:9,494名
- 合格者数:6,607名
- 合格率:69.6%(編集部計算)
- 合格基準:得点が60%以上
第一次36.3%、第二次69.6%。
電気は、第一次のほうが明確に通りにくい構造です。
施工管理の検定は「二次の記述が本番」と言われがちですが、電気にその一般論をそのまま当てはめると準備の配分を間違えます。
第一次で足踏みしている人が受検者の多数を占めている、というのが数字から読めることです。
準備の順番としては、まず第一次に厚く時間を割く。
そのうえで、応用能力6問を落とさない対策を別建てで入れる。
この形が、公表されている数字とは整合します。
2級は第一次57.4%・第二次51.8%(いずれも編集部計算)
2級の直近の実施結果も並べておきます。
- 令和8年度 第一次検定(前期):2026年6月14日実施/受検4,646名・合格2,669名=57.4%
- 令和7年度 第一次検定(後期):2025年11月9日実施/受検6,841名・合格3,772名=55.1%
- 令和7年度 第二次検定:2025年11月9日実施/受検5,023名・合格2,600名=51.8%
2級の第一次は55〜57%前後、第二次は51.8%です。
1級のように第一次と第二次で大きく振れていません。
2級第一次の合格基準は40問中24問以上正解、第二次は得点が60%以上と公表されています。
2級は、1級とは受検者の層が違います。
令和8年度前期の2級第一次の合格者の属性を見ると、21才未満が26.9%を占め、学校または勤務先別では高等学校が22.9%です。
在学中に取る資格として使われている面が強い、ということです。
一方の1級第一次の合格者は、25〜29才が23.2%、30〜34才が18.7%、35〜39才が13.9%と、20代後半から30代に山があります。
転職を意識して取りにいく資格は、電気の場合は1級のほうだと数字は示しています。
電気工事施工管理技士の受検資格は第一種電気工事士を持っていると近道になる
ここが、この記事でいちばん実利のある部分かもしれません。
電気には、他の種目にはない受検資格のルートがあります。
第一次検定は満19歳以上・実務経験は不要
まず1級の第一次検定です。
公式の受検資格には、こう書かれています(2026年9月10日確認)。
試験実施年度に満19歳以上となる者(令和8年度に申請する場合、生年月日が平成20年4月1日以前)
必要条件はこれだけです。実務経験は要りません。
2級の第一次検定は満17歳以上(令和8年度なら平成22年4月1日以前生まれ)です。
つまり「まだ実務経験年数が足りないから受けられない」というのは、第一次検定に関しては当てはまりません。
先に第一次だけ通しておく、という動き方ができます。
ただし注意点があります。
公式に明記されているとおり、第一次検定の合格を確認したあと、同じ年度の第二次検定に申請することはできません。
「第一次検定のみ」で申請して合格した場合も、その年度の第二次は受けられません。
一次と二次を同じ年度で片づけたいなら、最初から「第一次・第二次」の同時申請を選ぶ必要があります。
第一種電気工事士なら実務経験年数を問わず第二次検定に進める
1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定の旧受検資格の表。ロ欄「第一種、第二種または第三種電気主任技術者免状の交付を受けた者」は通算6年以上、ハ欄「第一種電気工事士免状の交付を受けた者」は実務経験年数は問わずと記載されている
1級第二次検定の旧受検資格の表を見てください。
学歴ごとの実務経験年数が並ぶなかに、資格による区分が2つ挟まっています。
- ロ:第一種、第二種または第三種 電気主任技術者免状の交付を受けた者 → 通算6年以上(指導監督的実務経験1年以上を含む)
- ハ:第一種電気工事士免状の交付を受けた者 → 実務経験年数は問わず
「実務経験年数は問わず」と書かれているのは、この表のなかでハの1行だけです。
比較のために、学歴ルートの年数を並べます。
- 大学(指定学科)卒業後:3年以上/指定学科以外:4年6ヶ月以上
- 短大・高専・専門学校「専門士」(指定学科):5年以上/指定学科以外:7年6ヶ月以上
- 高校・中等教育学校(指定学科):10年以上/指定学科以外:11年6ヶ月以上
- その他(最終学歴問わず):通算15年以上
- 2級電気工事施工管理技術検定 第二次検定 合格者:合格後5年以上
高卒・指定学科以外で11年6ヶ月、学歴を問わないルートなら15年。
そこに対して、第一種電気工事士を持っていれば年数を問われません。
ただし、いずれのルートも1級第一次検定に合格していること(または該当する技術部門の技術士に合格していること)が前提です。
第一種電気工事士だけで第二次検定を受けられるわけではありません。
現場で第一種電気工事士を持っている人は珍しくありません。
その免状が、施工管理側への移動の切符にもなっているという点は、意外と知られていないと感じます。
なお、令和8年度から令和10年度までは旧受検資格が経過措置として使えます。
令和6年度から10年度の間に第二次検定を受検していれば、令和11年度以降も再受検者として申請できると公式に明記されています。
新受検資格は「1級第一次合格後」から年数を数える
旧受検資格とは別に、新受検資格のルートも用意されています。
こちらは1級第一次検定の合格を起点に年数を数える仕組みです。
- 区分1-1:1級電気工事第一次検定 合格後、実務経験5年以上
- 区分1-2:1級電気工事第一次検定 合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
- 区分1-3:1級電気工事第一次検定 合格後、監理技術者補佐としての実務経験1年以上
区分1-3の「監理技術者補佐を1年」が最短です。
1級第一次検定に合格すると1級電気工事施工管理技士補になり、監理技術者補佐として現場に配置できるようになります。
つまり、若いうちに第一次だけ通しておくと、その後の年数の数え方が有利になります。
転職先を選ぶときに「技士補として監理技術者補佐に就けるか」を聞いておくと、ここが効いてきます。
電気工事施工管理技士の検定は日程と受検手数料を先に押さえる
受検資格の目処が立ったら、次は日程とお金です。
電気は建築と同じく建設業振興基金が実施しているため、管工事や土木とは日程も金額も違います。
令和8年度の1級は第一次7月12日・第二次10月18日
令和8年度の1級建築および電気工事施工管理技術検定の日程は、次のとおり公表されています。
- 申請書販売開始:令和8年1月30日(金)
- 第一次・第二次 申請受付:令和8年2月13日(金)〜2月27日(金)
- 第一次検定のみの申請受付締切:令和8年4月7日(火)(インターネットのみ)
- 電気工事 第一次検定 実施:令和8年7月12日(日)
- 第一次検定 合格発表:令和8年8月25日(火)
- 第二次検定 受検手数料 払込受付:令和8年8月25日(火)〜9月8日(火)
- 第二次検定 実施:令和8年10月18日(日)
- 第二次検定 合格発表:令和9年1月8日(金)
2級は日程が分かれます。
- 前期 第一次検定のみ:申請 2月6日〜2月27日/実施 6月14日(日)/発表 7月13日(月)
- 後期 第一次・第二次/第二次のみ:申請 6月29日〜7月27日(書面は7月13日〜)/実施 11月8日(日)/第一次発表 12月21日(月)/第二次発表 令和9年2月5日(金)
前期日程では第二次検定は実施されません。
2級で一次・二次をまとめて受けたい場合は、後期一択です。
この記事を公開した2026年9月10日の時点で、令和8年度1級の第二次検定 受検手数料の払込期限(9月8日)はすでに過ぎています。
令和8年度の第一次に合格した人は、この記事を読む前に済ませているはずの手続きです。
間に合わなかった場合の扱いは公式サイトで告知されているため、そちらを確認してください。
受検手数料は1級で合計31,600円|管工事より6,200円高い
1級電気工事施工管理技術検定の受検手数料の記載。第一次検定:15,800円(非課税)、第二次検定:15,800円(非課税)
1級電気工事施工管理技術検定の受検手数料は、公式にこう書かれています。
- 第一次検定:15,800円(非課税)
- 第二次検定:15,800円(非課税)
一次・二次を通すと合計31,600円です。
第一次・第二次を同時に申請した場合、第二次の手数料は第一次合格後に払う仕組みです。
2級はこうなっています。
- 第一次検定:7,900円(非課税)
- 第二次検定:7,900円(非課税)
- 第一次・第二次検定:15,800円(非課税)
ここで種目間の比較をしておきます。
一般財団法人全国建設研修センターが実施している1級管工事施工管理技術検定の受検手数料は、第一次12,700円・第二次12,700円です(2026年9月10日に同センター公式ページで確認。インターネット申込の場合は別途、事務手続手数料250円)。
- 1級電気工事:15,800円 × 2 = 31,600円
- 1級管工事:12,700円 × 2 = 25,400円
電気のほうが6,200円高いという結果です。
実施機関が違うため金額も別々に決まっており、種目を選べる立場の人にとっては地味な差になります。
正直に書くと、この差で種目を選ぶ人はいないと思います。
ただ、会社が受検費用を負担してくれるかどうかは、転職先を比べるときの現実的な確認事項です。
1級を一次から通すと3万円を超えます。
令和8年度から新受検資格の申請はインターネットのみ
日程表には、申請方法の変更が明記されています。
令和8年度から新受検資格の申請方法は、インターネットのみとなります。
あわせて、申請に必須となる実務経験を作成するツールを令和8年1月頃にホームページ上で公開する、とも書かれています。
旧受検資格で「第一次・第二次検定」または「第二次検定のみ」をはじめて申請する場合は、引き続き書面申請(願書購入)です。
再受検の場合は、書面とインターネットのどちらも使えます。
願書の購入には締切があります。
1級の書面申請は、令和8年1月30日から2月20日の昼12時まで(窓口販売は2月27日まで)と公式に記載されています。
申請受付の締切(2月27日)だけを見ていると、願書が手に入らないまま締切を迎えます。
電気工事施工管理技士の年収は平均521万円(求人ボックス・2026年9月2日更新)
年収の話をします。
最初に断っておくと、電気工事施工管理という職種の年収は、公的統計では単独で出てきません。
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)には「建築施工管理技術者」と「土木施工管理技術者」の職業ページはありますが、電気工事施工管理の単独ページはありません。
公的統計だけで年収を特定することはできない、というのがそのまま答えになります。
そこで、求人情報から算出された民間の集計を見ます。
正社員の平均年収は521万円・幅は331万〜879万円
求人ボックス給料ナビ「電気工事施工管理技士関連の仕事の年収・時給・給料」。更新日2026年9月2日、正社員の平均年収521万円、給与幅331万円〜879万円、アルバイト・パート平均時給1,498円、派遣社員平均時給1,995円
求人ボックスの給料ナビ(2026年9月2日更新)には、次のように掲載されています。
- 正社員の平均年収:521万円
- 給与幅:331万円〜879万円
- ボリュームゾーン:468万〜536万円
- 派遣社員の平均時給:1,995円
- アルバイト・パートの平均時給:1,498円
同じサイトの「施工管理」(全体)のページは平均年収494万円です。
電気工事施工管理技士のほうが27万円ほど上に出ています。
ただし、この数字の性格は正しく読む必要があります。
ページ内の注記に、こう明記されています。
記載の給料情報は2026年9月に求人ボックスが掲載求人情報から算出した給料情報です。
※平均年収(時給):集計対象求人における給与水準の中央値を示しています。
これは実際に支払われた給与の統計ではなく、掲載されている求人の給与水準の中央値です。
求人票の提示額であって、入社後の実額ではありません。
そこは切り分けて読んでください。
給与幅が331万〜879万円と広いことのほうが、転職を考える人には情報量があります。
同じ「電気工事施工管理」という肩書きで、548万円の開きがあるということです。
資格の有無、元請か下請か、扱う工事の規模で、この幅のどこに置かれるかが変わります。
地域差は174万円|東京590万円・鹿児島416万円
同じページの地域別のデータでは、最も高いのが東京都の590万円、最も低いのが鹿児島県の416万円で、その差は174万円と記載されています。
174万円という差は、生活コストの差だけで説明しきれる幅ではありません。
電気の場合、都市部にデータセンター・大型商業施設・再開発といった受電容量の大きい案件が集中していることが背景にあると考えられます。
ここは推測を含むので、断定は避けます。
確かなのは、公表されている数字として東京と鹿児島で174万円の開きがあるという事実だけです。
転職で年収を上げたい場合、選択肢は2つに整理できます。
- 勤務地を動かす(都市部の案件を持つ会社へ)
- 勤務地は動かさず、1級を取って会社のなかでの立ち位置を変える
家族の事情で動けない人にとっては、2番目のほうが現実的です。
そして電気は指定建設業なので、1級の有無が会社にとっての価値に直結します。
電気工事施工管理技士の転職サービスは経験と資格の状況で選び分ける
ここからは、実際に使うサービスの話です。
以下はいずれも、2026年9月10日に各社の公式ページを開いて確認した内容です。
公式ページに記載がなかった項目は「公式に記載なし」としています。
建設JOBs
まず電気の求人水準を知りたい
ビルドジョブ
1級を条件に変えたい
2026年9月10日に各社の公式ページで確認した内容です。サービス内容・条件は変更されることがあります。応募前に必ず各公式サイトでご確認ください。
まず電気工事施工管理の求人水準を知りたいなら:建設JOBs
建設JOBsの登録フォーム。経験の選択肢に建築施工管理・土木施工管理・電気施工管理・設計・工事作業・設備管理・その他職種・未経験が並び、フッターに運営会社と厚生労働大臣許可番号13-ユ-312361が表示されている
建設JOBsは、株式会社アップベースが運営する建設業界向けの転職支援サービスです。
公式ページのフッターには、社名・代表者(代表取締役社長 今井良祐)・所在地(東京都目黒区青葉台3丁目1-18 青葉台タワーANNEX 3階)・厚生労働大臣許可番号13-ユ-312361が記載されています。
入口は「カンタン30秒ステップ」と書かれた5段階の入力フォームです。
最初の質問は経験の選択で、建築施工管理・土木施工管理・電気施工管理・設計・工事作業・設備管理・その他職種・未経験から複数選べます。
電気にとって都合がいいのは、「電気施工管理」が独立した選択肢として用意されている点です。
管工事や空調衛生の人が「その他職種」を選ばざるを得ないのに比べると、最初のヒアリングで話が早く進みます。
ただし、選択肢はあくまで「電気施工管理」というくくりです。
内線か外線か、受変電設備か弱電か、プラントかデータセンターか。
このあたりは選択肢では表現できないので、最初のヒアリングで自分から具体的に伝えたほうが確実です。
「どうせ登録したら電話が鳴り続けるんでしょう」と思う人もいると思います。
その懸念は現実的です。
登録時に、連絡可能な時間帯を先に伝えておくのが実務的な対処です。
現場に出ていると日中は取れません。
なお、料金についての記載は公式ページ上で確認できませんでした。
人材紹介は企業側から手数料を受け取る形が一般的ですが、公式に記載がない以上、登録時に確認するのが確実です。
1級電気工事施工管理技士を条件に変えたいなら:ビルドジョブ
ビルドジョブ公式サイトの「主要な取り扱い職種」。土木施工管理・管工事施工管理・電気工事施工管理・プラント施工管理・建築設計・土木設計・構造設計・意匠設計・設計監理が並ぶ 出典: ビルドジョブ 公式サイト
ビルドジョブは、株式会社MyVisionが運営する建設業界特化の転職エージェントです。
公式サイトの「主要な取り扱い職種」には、電気工事施工管理が明記されています。
公式サイトのトップには、年収アップ平均金額163万円(※1)、累計支援数50,529人(※2)、利用者満足度4.8以上(※3)という3つの数字が掲載されています。
注釈も明記されており、※1は「2024年4月〜2026年3月11日において内定承諾をし、年収アップを実現された方の平均実績」、※2は「2026年3月16日時点」、※3は「2026年4月7日時点」です。
163万円は、年収アップを実現した人に限った平均です。
全員が163万円上がるという意味ではないので、そこは切り分けて読んでください。
ビルドジョブ公式サイトに掲載された求人例。電気/管工事 施工管理、年収673〜1,123万円、年間休日128日、退職金制度と記載されている
電気の文脈で参考になるのは、公式に掲載されている求人例です。
- 電気/管工事 施工管理:年収673〜1,123万円/年間休日128日/退職金制度
- 施工管理(データセンター):年収1,100〜1,500万円/賞与年2回/定年65歳
673万円という下限は、求人ボックスの平均521万円をかなり上回っています。
データセンター案件の1,100万円スタートも、電気の需要が集中している領域を示しています。
ただし、このブロックには注記が付いています。
「以下は4万件超の求人の一部であり、他職種の求人も多数ございます」という趣旨の記載です。
選ばれた一部であるという前提で見てください。
ここは正直に書いておきます。
公式トップページに掲載されている転職事例のなかに、電気工事施工管理技士の事例は確認できませんでした(2026年9月10日時点。掲載されていたのは建築施工管理技士・管工事施工管理技士・土木施工管理技士の事例です)。
求人と職種の対応は明記されている一方、電気の成功事例そのものは公式に出ていない、というのが現状です。
料金については、公式のよくある質問に「ビルドジョブのご利用は完全無料です」「求人を紹介している企業様からいただく紹介手数料により事業が成り立っています」と明記されています。
対象年齢についての記載は、公式サイト上では確認できませんでした。
電気工事施工管理技士の転職を停電作業と夜間工事の観点から考える
電気工事施工管理の求人を比べるとき、年収と休日日数だけでは見えないものがあります。
それが、夜間と休日に寄る工事の量です。
稼働中のビル、工場、店舗、駅。
受電設備の更新や幹線の切り替えは、建物を止められる時間帯にしかできません。
結果として、電気の施工管理は他の職種より夜間・休日の立ち会いが増えます。
年間休日128日と書かれていても、その休日が「振替」で埋まっているかどうかで生活はまったく違います。
求人票を読むときは、次の3点を確認したほうが実態に近づきます。
- 夜間・休日作業の年間の頻度(月に何回、年に何本の停電作業があるか)
- 深夜割増と代休の運用(手当が出るのか、代休なのか、両方なのか)
- 立ち会い後の翌日の扱い(明けで直帰できるのか、日中の現場に入るのか)
3番目が特に効きます。
深夜に受電作業をして、そのまま朝から別の現場に入る運用になっていると、手当がいくら付いても体が持ちません。
停電作業の待機時間は、車のなかで過ごすことが多い時間帯です。
現場に入るのは深夜1時でも、集合は22時。
その3時間を仮眠に充てられるかどうかで、翌朝の状態がまるで違います。
編集部で話を聞いた範囲では、車内で仮眠を取る人と、コンビニ駐車場でスマホを見て過ごす人にきれいに分かれていました。
車内の通信環境と仮眠のしやすさは、電気の施工管理にとっては労働環境の一部です。
待機や夜勤の時間をどう扱うかは、この記事の範囲を超えます。
車内での過ごし方については夜勤明けの過ごし方にまとめました。
施工管理から別の職種に移ることも含めて考えたい場合は、施工管理から転職する選択肢と施工管理の転職先の選び方が近い内容です。
電気工事施工管理技士の転職についてよくある質問
電気工事施工管理技士の平均年収はいくらですか
求人ボックスの給料ナビ(2026年9月2日更新)では、正社員の平均年収は521万円、給与幅は331万〜879万円、ボリュームゾーンは468万〜536万円と掲載されています。
ただし、これは掲載求人の給与水準の中央値であり、実際に支払われた給与の統計ではありません。
公的統計では、電気工事施工管理という職種の年収は単独では公表されていません。
job tagにも電気工事施工管理の職業ページはありません。
電気工事士と電気工事施工管理技士は何が違いますか
電気工事士は電気工事の作業を行うための資格、電気工事施工管理技士は工事現場の施工管理を行うための資格です。
建設業法上の位置づけも違います。
第一種電気工事士は電気工事業の主任技術者になれますが、監理技術者にはなれません。
監理技術者になれるのは1級電気工事施工管理技士などの一級国家資格者です(出典:国土交通省「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」2025年12月18日施行)。
2級を取ってから1級を目指すべきですか
数字を見る限り、電気ではその積み上げは主流ではありません。
令和7年度の1級第二次検定の実施結果には「1級電気工事施工管理技術検定合格者のうち、2級電気工事施工管理技術検定合格者は3.7%」と記載されています。
1級合格者の96%以上は、2級を持たずに1級を取っています。
1級の第一次検定は満19歳以上であれば実務経験なしで受けられます。
2級を経由しなければならない制度上の理由はありません。
第一種電気工事士を持っていると受検が有利になりますか
1級第二次検定の旧受検資格では、第一種電気工事士免状の交付を受けた者は実務経験年数を問わず受検できると公式に明記されています。
学歴ルートでは高校(指定学科以外)卒業後11年6ヶ月、学歴を問わないルートでは通算15年が必要です。
その年数がまるごと不要になります。
ただし、1級第一次検定に合格していることが前提です。
第一種電気工事士だけで第二次検定を受けられるわけではありません。
受検にはいくらかかりますか
1級電気工事施工管理技術検定の受検手数料は、第一次検定15,800円(非課税)、第二次検定15,800円(非課税)です。
一次・二次を通すと合計31,600円になります。
2級は第一次7,900円、第二次7,900円、第一次・第二次同時が15,800円です。
参考までに、1級管工事施工管理技術検定は第一次・第二次とも12,700円で、電気のほうが1回あたり3,100円高くなっています(いずれも2026年9月10日に各実施機関の公式ページで確認)。
令和8年度の申込はいつまででしたか
令和8年度の1級(建築・電気工事)は、第一次・第二次の申請受付が令和8年2月13日〜2月27日、第一次検定のみの申請受付が令和8年4月7日までで、いずれも締め切られています。
2級は、後期の申請受付が令和8年7月27日で締め切られています。
次に申し込めるのは令和9年度です。
なお、令和8年度から新受検資格の申請方法はインターネットのみになりました。
資格を取ってから転職するべきですか、取る前に動くべきですか
これは状況によります。断定はできません。
判断材料になるのは次の2点です。
1級を持っていない場合:監理技術者を必要とする求人には、そもそも応募条件が合いません。
先に第一次検定を通して技士補になっておくと、監理技術者補佐としての実務経験1年で第二次検定の受検資格(新受検資格 区分1-3)に届きます。
転職先を選ぶときに「技士補として監理技術者補佐に配置してもらえるか」を確認する価値があります。
1級を持っている場合:電気は指定建設業で、実務経験ルートが閉じています。
1級の有資格者は、会社にとって受注できる工事の上限を決める存在です。
条件交渉の材料としては、他の職種より強く働きます。
転職サービスは複数登録してもいいですか
複数登録を禁じている記載は、今回確認した2社の公式ページ上では見当たりませんでした。
ただし、同じ求人に別々の経路から応募すると企業側で重複が発生します。
どのサービスからどの企業に応募したかは、自分で記録しておいたほうが安全です。
まとめ:電気工事施工管理技士の転職は「指定建設業」から逆算する
最後に要点を整理します。
- 電気工事業は指定建設業の7業種のひとつ。 監理技術者に実務経験ルートがなく、1級などの一級国家資格が必須(出典:国土交通省 技術者制度の概要)
- 2級は主任技術者、1級は監理技術者。 求人票の「1級必須」はこの制度をそのまま写している
- 令和8年度の1級第一次検定は受検27,387名・合格9,947名=36.3%(編集部計算)。第二次は令和7年度で69.6%(編集部計算)で、通りにくいのは第一次のほう
- 1級第一次は満19歳以上・実務経験不要。 先に通しておくと新受検資格で年数の数え方が有利になる
- 第一種電気工事士があれば、1級第二次検定を実務経験年数を問わず受検できる(旧受検資格ハ)
- 1級の受検手数料は合計31,600円。 管工事より6,200円高い
- 正社員の平均年収は521万円、幅は331万〜879万円(求人ボックス・2026年9月2日更新/掲載求人の中央値であり実支給の統計ではない)
- 電気工事施工管理の年収は、公的統計では単独で公表されていない
自分がどこにいるかで、次の一手は変わります。
- 1級を持っている → 条件交渉の材料が揃っている。求人の幅を先に見る
- 1級第一次だけ合格している(技士補) → 監理技術者補佐に配置してもらえる転職先を選ぶと、第二次の受検資格に最短で届く
- 第一種電気工事士を持っている → 1級第一次に合格すれば、実務経験年数を問わず第二次に進める
- どれも持っていない → まず第一次検定(満19歳以上・実務経験不要)から
施工管理全体の制度・年収・エージェントの比較は施工管理の転職の基本にまとめています。
設備(管工事・空調衛生)と迷っている場合は設備施工管理の転職、建築側と比べたい場合は建築施工管理の転職が近い内容です。
数字・日程・手数料は変わることがあります。
申込の前に、必ず一般財団法人建設業振興基金の公式サイトで最新の情報を確認してください。










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