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施工管理の仕事を辞めようと決めても、面接でまず聞かれるのが「なぜ転職するのですか」という質問です。
本音は「残業が多すぎる」「休みがない」でも、それをそのまま言っていいのか迷う人は多いと思います。
結論から言うと、施工管理の転職理由は、本音を数字にしてから「次の職場で実現したいこと」に言い換えれば、正直なまま前向きに伝えられます。
そして本音が長時間労働なら、もうひとつ確認すべきことがあります。
残業の時間によっては、失業給付の上で「自己都合」とは違う扱いになる可能性があるという点です。
この記事では、まず厚生労働省の最新の統計で、転職した人が前の仕事を辞めた理由を確認します。
次に、施工管理でよくある転職理由ごとに、面接での伝え方を整理しました。
最後に、残業が理由で辞める場合の離職理由の扱いを、ハローワークの公式情報で確かめます。
読み終えるころには、自分の転職理由を面接で話せる形に整理できていて、辞めるときに手元に残しておくべき記録も分かっているはずです。
施工管理の転職理由で多いのは「給料」と「労働時間・休日」
まず、転職した人が実際に何を理由に前の仕事を辞めているのかを、公的な統計で見ます。
令和7年雇用動向調査では男性30〜34歳の「給料」13.4%・「労働時間・休日」13.0%
厚生労働省の雇用動向調査は、転職した人に前の勤め先を辞めた理由を聞いています。
2026年に公表された令和7年の結果が最新です。
厚生労働省の令和7年雇用動向調査の表5。転職入職者が前職を辞めた理由別の割合が、男女・年齢階級別に示されている
同調査によると、令和7年(2025年)に転職した男性が前職を辞めた理由は、「その他の個人的理由」16.8%、「その他の理由(出向等を含む)」12.1%を除くと、「定年・契約期間の満了」16.1%が最も多く、次いで「給料等収入が少なかった」9.9%です。
女性は「その他の個人的理由」23.8%を除くと、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.9%が最も多く、次いで「職場の人間関係が好ましくなかった」11.5%です。
施工管理として働く世代に近い、男性の年齢別の数字も見ておきます。
- 25〜29歳:給料等収入が少なかった13.1%、会社の将来が不安だった11.0%、職場の人間関係10.7%、労働時間・休日等10.5%
- 30〜34歳:給料等収入が少なかった13.4%、労働時間・休日等13.0%、会社の将来が不安だった10.0%
- 35〜39歳:会社の将来が不安だった12.7%、給料等収入が少なかった11.2%、労働時間・休日等11.1%
- 40〜44歳:能力・個性・資格を生かせなかった11.0%、会社の将来が不安だった10.7%
(いずれも「その他の個人的理由」「その他の理由」を除いて多い順)
ここから分かることは3つあります。
ひとつめは、20代後半から30代前半は「給料」と「労働時間・休日」が並んで上位だということです。
施工管理で辞めたい理由としてよく挙がる2つが、そのまま転職理由の上位に出ています。
ふたつめは、30代後半になると「会社の将来が不安だった」が最も多くなることです。
現場の忙しさそのものより、「この会社にいて先があるのか」が理由になっていく傾向が読み取れます。
みっつめは、40代前半で「能力・個性・資格を生かせなかった」が最も多いことです。
施工管理技士の資格や経験を積んだ人ほど、それを評価してくれる場所を求めて動くと考えると、施工管理の実感にも近い数字です。
ただし、この表は全産業の数字で、建設業や施工管理に限った集計ではありません。
建設業の労働時間や休日の実態については、国土交通白書の数字を施工管理から転職する3つの道で確認しています。
現場メモ
施工管理の転職理由は、ひとつに絞れないことがほとんどです。
「残業が多い」「休みがない」「給料が見合わない」は、たいてい同じ現場で同時に起きています。
面接の前に、どれがいちばん大きい理由かを自分の中で順位づけしておくと、話がぶれません。
施工管理の転職理由を面接で伝えるときの組み立て方
転職理由を聞かれたときに、本音を隠す必要はありません。
ただ、本音をそのまま言うと「前の会社への不満」に聞こえ、同じ不満をうちでも持つのでは、と受け取られやすいのは事実です。
そこで、次の3つの順番で組み立てます。
- 事実:何がどのくらいだったのか(月の残業時間、休日の日数、担当現場の数など)
- 自分で試したこと:社内で相談した、配置換えを希望した、資格を取った、など
- 次の職場で実現したいこと:その会社を選ぶ理由とつながる形で
1で数字を出すと、感情ではなく事実の話になります。
2があると、「すぐ辞める人」ではなく「手を尽くした人」に見えます。
3で、応募先を選んだ理由に着地させます。
施工管理でよくある転職理由ごとに、伝え方の軸を整理しました。
残業が多すぎる
数字で伝えると強い
休日が取れない
工事の種類とつなげる
給料が見合わない
評価の仕組みの話にする
会社の将来が不安
30代後半で増える理由
資格や経験が生かせない
40代前半で最多の理由
面接での伝え方の一例です。実際の事情や応募先の特徴に合わせて言葉を選んでください。
大事なのは、言い換えた先の「次の職場で実現したいこと」が、応募先の実態と合っていることです。
週休2日を理由に転職するなら、応募先が実際に週休2日で回っているかを面接で確認する必要があります。
言い換えが上手でも、応募先の実態と合っていなければ、同じ理由でまた辞めることになります。
なお、2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。
原則の上限と特別条項の上限は、施工管理の転職で厚生労働省の情報をもとに整理しました。
今の職場の残業時間がこの上限を超えているかどうかは、転職理由を説明するうえでも客観的な材料になります。
施工管理の転職理由が長時間労働なら、離職理由の扱いを確認する
ここは見落とされやすい部分です。
辞める理由が長時間の残業である場合、ハローワークでの離職理由の扱いが「自己都合」と変わる可能性があります。
離職直前6か月のうち連続3か月で45時間を超える残業は特定受給資格者の範囲に入る
ハローワークは、倒産や解雇などで離職を余儀なくされた人を「特定受給資格者」として扱います。
その範囲に、時間外労働に関する項目があります。
ハローワークインターネットサービスの特定受給資格者の範囲。「解雇」等により離職した者の(5)として、時間外労働に関する基準が示されている
ハローワークインターネットサービスによると、特定受給資格者の範囲の「『解雇』等により離職した者」には、次の人が含まれています。
「離職の直前6か月間のうちに[1]いずれか連続する3か月で45時間、[2]いずれか1か月で100時間、又は[3]いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者」
つまり、次のどれかに当てはまって辞めた場合、特定受給資格者の範囲に入ります。
- 辞める直前の6か月のうち、連続する3か月で時間外労働が45時間を超えていた
- 辞める直前の6か月のうち、いずれか1か月で100時間の時間外労働があった
- 辞める直前の6か月のうち、連続する2か月以上の平均で月80時間を超えていた
施工管理で「月60時間の残業が3か月続いた」という状況は、1つめの条件に関わってきます。
同じ範囲には、ほかにも施工管理に関係しそうな項目があります。
- 賃金が、それまでの賃金の85%未満に低下した(又は低下することとなった)ため離職した者(低下の事実を予見し得なかった場合に限る)
- 労働契約を結ぶときに明示された労働条件が、事実と著しく違ったことにより離職した者
特定受給資格者に当たるかどうかを最終的に判断するのはハローワークです。
自分で「会社都合になる」と決めつけず、残業時間を示す記録(タイムカード、勤怠システムの画面、給与明細の残業代の欄など)を手元に残したうえで、ハローワークに相談してください。
会社が離職票に書いた離職理由に納得できない場合も、ハローワークで事情を説明できます。
特定受給資格者と自己都合では所定給付日数が変わる
特定受給資格者に当たるかどうかで、失業給付(基本手当)を受け取れる日数が変わります。
ハローワークインターネットサービスの基本手当の所定給付日数の表。特定受給資格者及び一部の特定理由離職者と、それ以外の離職者で日数が分けて示されている
ハローワークインターネットサービスの表によると、所定給付日数は次のように違います。
特定受給資格者(被保険者期間が1年以上の場合)
– 30歳未満:90日〜180日
– 30歳以上35歳未満:120日〜240日
– 35歳以上45歳未満:150日〜270日
– 45歳以上60歳未満:180日〜330日
– 60歳以上65歳未満:150日〜240日
それ以外の離職者(自己都合など)
– 全年齢:被保険者期間1年以上10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日
たとえば32歳で被保険者期間が5年以上10年未満なら、特定受給資格者は180日、それ以外の離職者は90日です。
47歳で被保険者期間が10年以上20年未満なら、特定受給資格者は270日、それ以外の離職者は120日です。
また、自己都合退職の場合には基本手当が支給されない「給付制限」の期間があります。
厚生労働省は、給付制限は「正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合」にかかると説明しています。
給付制限の期間が令和7年4月から原則1か月になったことは、トラックドライバーの転職で厚生労働省のページをもとに整理しました。
転職先が決まってから辞めるなら、失業給付を受け取ることは少ないかもしれません。
それでも、自分の離職理由がどう扱われるかを知っておくことは、転職先が決まる前に辞めざるを得ない場合の備えになります。
施工管理の転職理由別に次の職場を選ぶ
転職理由が整理できたら、それを解決できる職場を選びます。
理由によって、探す方向が変わります。
残業・休日が理由なら、同じ施工管理で環境を変える
国土交通白書では、公共工事の受注がほとんどの技術者と民間工事の受注がほとんどの技術者で、週休2日の割合に大きな差があるとされています。
施工管理そのものは続けたいなら、業界を出る前に、工事の種類や発注者が違う会社に移るという選択肢があります。
くわしくは施工管理から転職する3つの道で整理しています。
現場常駐そのものがつらいなら、現場を離れる職種も比べる
施工管理の経験を生かせる転職先には、発注者側、設計、CADオペレーター、ビル施設管理などがあります。
職種ごとの求人倍率と年収は施工管理の転職先で比較しました。
給料・評価が理由なら、経験と資格を条件に交渉できるルートを使う
担当した工事の規模や資格を評価してもらうには、それを説明して条件を交渉してくれる相手がいると話が早く進みます。
施工管理の転職サービスは経験と年齢で向き不向きが分かれるため、選び分けの全体像は施工管理の転職にまとめています。
施工管理の経験があり、まずは求人を幅広く見て、今の条件と比べたいという段階なら、建設業界の経験者向けの登録型サービスが使いやすい入口です。
施工管理の経験や資格があり、年収や担当する工事の規模を上げたいという目的がはっきりしているなら、面談で条件を相談できるハイクラス向けの転職支援が向いています。
施工管理の転職理由についてよくある質問
転職理由に「残業が多い」と正直に言っていいですか
言って問題ありません。
ただし、月の残業時間などの事実を数字で示し、社内で試したことと、次の職場で実現したいこと(工程と品質を管理しきれる体制で働きたい、など)までつなげて話すと、不満ではなく理由として伝わります。
施工管理の転職理由で多いのは何ですか
施工管理だけの統計はありませんが、厚生労働省の令和7年雇用動向調査(全産業)では、男性30〜34歳が前職を辞めた理由は「給料等収入が少なかった」13.4%、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」13.0%が上位です。
35〜39歳では「会社の将来が不安だった」12.7%、40〜44歳では「能力・個性・資格を生かせなかった」11.0%が最も多くなっています。
残業が月45時間を超えていたら会社都合になりますか
ハローワークの特定受給資格者の範囲には、離職の直前6か月間のうち連続する3か月で45時間を超える時間外労働が行われたため離職した者が含まれています。
ただし、当てはまるかどうかを判断するのはハローワークです。
残業時間を示す記録を残したうえで、ハローワークに相談してください。
入社1〜2年で辞める場合、転職理由はどう伝えればいいですか
短期間で辞める場合は、「なぜ今なのか」をあわせて聞かれることが多くなります。
入社前に聞いていた条件と実際の違いがあるなら、その事実を具体的に説明し、次の会社では入社前に何を確認したかを伝えると、同じことを繰り返さない人だと伝わりやすくなります。
なお、明示された労働条件が事実と著しく違ったことによる離職も、ハローワークの特定受給資格者の範囲に含まれています。
資格を取ってから転職したほうがいいですか
施工管理技術検定は令和6年度から受検資格が変わり、1級の第一次検定は19歳以上なら受検できるようになっています。
資格の見通しが転職の順番にどう影響するかは、施工管理の転職で国土交通省の資料をもとに整理しています。
まとめ:施工管理の転職理由は、数字にしてから言い換える
施工管理の転職理由でよく挙がる「給料」と「労働時間・休日」は、厚生労働省の令和7年雇用動向調査でも、20代後半から30代前半の男性で上位に並んでいます。
30代後半では「会社の将来」、40代前半では「資格や経験を生かせない」が最も多くなります。
面接では、本音を隠す必要はありません。
事実を数字で示し、自分で試したことを添え、次の職場で実現したいことに言い換える。
この順番で組み立てれば、正直なまま前向きな理由として伝えられます。
そして、辞める理由が長時間の残業なら、離職の直前6か月のうち連続3か月で45時間を超えていたかどうかを確認してください。
ハローワークで特定受給資格者と判断されれば、所定給付日数が変わります。
残業時間の記録は、辞めると決めた時点から手元に残しておくのが確実です。




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